2014.12.11 のニュース
原油は続落の傾向強める ガソリン相場づくりに苦慮
原油価格(WTI)は8日に63.05ドル/バーレルとなり、前日に比べ2.79ドルの値下がりとなるなど一段と下げた。OPEC総会で減産が見送りとなり、これを機に一気に値下がり、その後は原油安で安定して推移するかに見えたが、今後の動向はますます不透明となってきた。ガソリンは12月商戦に入っており、販売業者は、この時期での原油価格の下落には戸惑いをみせている。月初めに仕切価格は3~4円/リットルの大幅な値下げとなり、末端市況も値下がり傾向をみせているが、新しい相場づくりを模索しているが難しくなってきた。仕切価格は値下がりが続いているが、その週で購入したガソリンが対象となるため、SSでの在庫は以前の高値在庫が残っているため、即、値下げすると逆ザヤとなり赤字となるケースも出てくる。そのため値下げのタイミングが問題となるが、連続値下げ局面となっているため、SS経営も難しくなっている。
原油下落が続いているため、12月のガソリン商戦の取組みが難しくなってきた。原油価格の動向を見通すことは不可能であるため、元売が仕切価格を打ち出すのを待つことになるが、増販を期待しているため、市況づくりは難しくなってきた。
原油はWTIが63ドル/バーレル、ドバイも63ドル程度で推移しており、原油安に連動して東商取の先物もガソリンは63円、灯油は65円、原油は49円へと下落している。
販売業者もガソリンは連続して値下がりしているため、常に市況下落を防戦する構えで臨んでいるが12月は増販を期待しているだけに価格競争に発展する心配も残る。
既にガソリンは140円台相場となっているため、ユーザーにも安値感が出てきたのと円安で海外旅行が割高となってきたため、年末年始は車を利用しての国内旅行、帰省をするケースが増えそうである。
また、灯油も関東地区が冷え込んできたため、これからシーズン入りとなってきた。基調としては減販が見込まれるが、灯油の荷動きが活発化すれば、ガソリン需給もタイトとなり、値崩れ防止には役立つことになる。
問題は、原油下落を先取りして末端市況を急いで値下げすることが心配となる。業転、先物が先行して値下がりとなるが、仕切価格の改定動向をよく見定めて対応しないと逆ザヤの赤字となることになるため、下げ急ぐことなぐ慎重な対応が求められる。