2014.12.25 のニュース
販売業者はマージン確保も 市況下落時でのタイムラグで
ガソリンの仕切価格は、13日から3円/リットルの値下がりとなり、末端市況は連続値下がりの状況をみせている。街道沿いでは140円相場となり、142~3円に、安値(セルフ)は135~6円となっている。安値は、カード割引きなどは130円割れも見込まれている。
石油情報センターの調査価格は152円と150円台に乗せているが、実勢は140円台となっており、今後も値下がりは続くことになる。
原油価格は55ドル/バーレルと60ドルを割っており、まだ底値がみえてこないため、ユーザーは、今後の値下がりを見込んで買い控えもみせている。販売業者サイドも、同様に買い控えで対応している。ただし大半は、計画配送をとっているため、毎週の仕切価格の値下がりを活用することはできないケースが多く、反発も出ている。
一方、市況下落により、ユーザーも安値感を持つことになり需要も回復が見込まれている。SSへの来店客も増加しており、SSも活気を取り戻している。年末商戦と重なったこともあるが、増販。増益が期待できそうな状況となっている。
仕切価格の値下がりと末端市況との値下がりが遅れるとタイムラグが生じ、販売業者のマージンが確保されることになる。今のところ販売業者がマージンを確保して有利な状況にあるようである。
だが、これも一過性で、時間が経過すると末端市況が急落するとになり、利益を吐き出すことになるため、警戒を要する状況にもある。原油価格の急落時には、一時的には、販売業者もマージンを確保するが、その後は、価格競争が展開されて末端市況の下落が加速し幅の方が大幅となるケースが多い。
足元の需給は安定しており、先物、業転市況は値下がりしている。しかし、仕切価格も値下がりしているため、販売業者も仕入段階では、市況が急変しているため大手の卸業者は緊迫している。一般特約店は下落局面であるため、余裕を持っての対応となっている。
しかし、急落すると、その反動で、いつかは急騰するため、時期は分らないが、そろそろ反転する時期となりそうであり、準備も必要である。
原油価格下落は夏から続いているが、11月27日のOPEC総会で減産の見送りを決めたのを機に、一段と下落した。夏場に比べると約半額となっており、今後どこまで下落するか、いつ値上がりするかの予測は難しくなっている。
この安値がどこまで続くかは、一般的な見方としては、サウジなど産油国が、どこまで原油安に耐えるられるのか、米国のシェールオイルの生産を維持できるのかの我慢比べとみられている。地政学的リスクが再発すれば一気に高騰することになる。このリスクが緩和されてきたことも下落に拍車がかかった要因でもある。
当初は、その原油価格の水準は80ドル/バーレルが目安であったが、これを大幅に下回り、ついに50ドル台になった。それでもシェールオイルの生産が減少すると見られていたが、生産を開始したためコストの回収を優先することになり、生産が継続されている。このような安値が続くと経済、政治面で大きな変化が生じそうである。