2014.12.28 のニュース
増販のガソリン仕切価格値下げ 市況維持で年末、年始を乗り切る
今年最後のガソリン仕切価格の改定は2円/リットル(出光)~3円(JX)の値下げとなった。この価格改正は1月6日までの2週間の適用となるため、年末、年始の相場づくりに影響する。この2~3円の値下げを受けて販売業者は値下げに踏み切るものとみられる。その場合2~3円の値下げとするのか、それ以上の値下げとなるのか、さらには値下げせずに現状維持となるのか対応が分かれる。街道沿いSSでは帰省、レジャー客で増販が狙える期間であるだけに価格設定が注目される。
12月に入り、連続4週の値下がりとなり累計では13円の大幅値下げとなってる。そのため月末で調整することになるケースも予想されるが、今のところ末端市況は、仕切価格の値下がりの範囲内に止まっているようである。年末、年始の商戦は、増販が見込まれているため、現状の市況のまま維持できればマージン増となるが、一方では、増販を狙うと値下げすることになる。
幸い販売価格が140円相場、安値は133円程度と値下がりしているため需要は回復の兆しがみえてきたため増収、増益が見込まれてきた。ガソリンの上期販売は、消費税の増税、天候不順、台風の到来もあり5.5%の減となるなど販売不振が目立ち、マージン減少で販売業者の経営は不振となった。7月では170円相場となり、ユーザーは高値感を持ち節約に走り、限定給油が増加するなど減販が目立った、そのためマージンが低下して赤字となった。ここにきてマージンが改善されつつあるが、今までの赤字を回収するまでに至っていない。
仕切価格の値下がりが連続しており、末端市況の値下げを遅らせることでマージンを確保していることになる。
元売は10~12月の原油価格の急落を受けて、在庫評価損が大幅に発生するため決算は赤字となるため、販売業者とは明暗を分けたことになる。在庫評価損は、会計処理のため対応する方策はないため、やむを得ないが、販売業者サイドは値下がり局面では、先取りして市況を値下げせず、市況を維持すれば、マージンは確保されることになる。ただ、先取り値下げとなると、マージン減から利益を吐き出すのが通常であるため、警戒が必要となってくる。
ただ、街道沿いでは安値が133円となっており、一部では、カード割引きとなると130円割れもある。今回の仕切価格の値下がりで120円台となることも予想されるが、これを機に価格競争の再燃が心配となる。
SS店頭価格の表示は、現金価格とプリカなどの割引き価格は3円安として大々的に掲示されており、割安感を伝えているなど誤解を招くのと、安値をユーザーに伝えるため価格表示のあり方を変えるべきとの意見もあるが、増販のツールとなっているため割引き看板は掲示されている。
カード会員を集めることはユーザーの固定化に繋がることになり、常に一般の現金価格よりも3円割引きを強調する価格が表示される。その結果、価格競争を誘発することになる。現金価格とカード割引き価格を並行して表示することは、ユーザーの誤解を招くことにもなり、多重表示となるため自粛すべきである。