日刊ニュース

2015.01.15 のニュース

ガソリン 130円台で攻防 値下がりは今後も続く~販売業者、下げ過ぎを警戒~

原油価格が続落しており、ガソリンの仕切価格は1月に入っても値下がりが続いている。その結果、末端市況も値下がりしているが、首都圏の街道沿いは130円/リットル台の攻防、安値(セルフ)は130円割れが多くなってきた。石油情報センターの調査価格(5日)は145円となり前週比で4円の値下がり、埼玉が139円で140円を割り、千葉は140円、東京も146円へと3~4円の値下がりとなった。末端市況は、今後も値下がりが予想されている。業転、先物も52~3円へ値下がりしている。原油価格が50ドル/バーレル割れ(12日のWTIは46ドル/バーレル台に急落)が続き、これに連動して値下がりとなっている。原油価格の見通しは、不透明となっているが、40ドル台で一服状態とみられている。石油業界では、このままの価格水準で長期に亘って推移すれば、安値感が出て需要が回復すると歓迎するが、いずれは反発するとみて警戒している。
 原油価格は年末、年始で40ドル台へと急落した。半年間で60ドルの下落となり、08年の乱高下と、よく似ているが、この安値の状況が続けばシェールオイルの生産停止に追い込まれるのか、産油国が財政面で破綻するかの我慢比べとなっている。さらに先物市場関係でも乱高下の影響を受けて経営難となることが心配されている。
 一方、元売の業績は在庫評価損が発生して赤字となる。販売業者も、仕切価格の値下がりに比べ、末端市況の下落が遅いため、今のところはマージンを確保しているが、今後は値下がりが加速するとマージンが減少することになる。
 元売サイドは、原油価格が反発する動きを待っている。この安値が長期に亘ることはなく、いずれは値上がりするとみている。V字で値上がりすれば、在庫評価損が相殺される。安値が長期化すれば需要が増加することになり歓迎するが、短期的にみれば、急騰して在庫評価損が減少することを期待しているのが本音のところである。
 石油開発事業は、原油安は、即収益、利益減となるため、原油の急落はマイナスとなるため値上がりを期待している。
 今後もサウジなど産油国が減産をせずに生産を維持することになると需給の緩和が続くことになり、安値が続くことになるため、値上がりに転じるには、かなり時間がかかりそうである。
 一方、地政学的リスクが発生すれば、一気に反発するとの見方も残っている。世界の需要が減少しているため、基調は供給増が続きそうである。
 原油価格が値下がり、石油製品の価格が値下がりすることで、世界の景気が回復して需要が増加、その結果、需給がタイトになり、石油製品が値上がりすることになるとのシナリオは、かなりの時間がかかる。
 過去の急落後の値上がりは、産油国が減産、新興国の需要増が背景にあったが、今回は新興国、欧州の経済が低迷しており、供給増となる。シェールオイルの増産が続いているため、中東産油国との我慢比べとなる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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