日刊ニュース

2015.01.19 のニュース

変化見極め的確な経営判断を

昨年末に、出光が昭和シェルに対してTOB(株式公開買付)を行い子会社化すると報じられて以来、両社の周辺が騒がしい。
先日開催された石油連盟の賀詞交歓会では、乾杯発声の余韻も覚めやらぬ中、出光の月岡社長があっという間に一般紙、経済紙の記者に幾重にも取り囲まれ、長々と取材を受けた。そしてその輪が解かれたと思う間もなくコスモの森川社長が、宴たけなわにはJXの木村会長が、周辺の喧騒から隔絶されるほどの“人の壁”に囲まれた。近寄る隙すらなかったため、話の内容は定かではないが、業界再編にまつわる諸々であったことは疑う余地がない。
今回の報道の裏には、高度化法を背景として国の力が隠然と働いているとの見方が業界内では根強いが、その一方で業界通のある方に言わせると、過去に昭和シェルと旧三石の合併話が報じられたのも、昭和シェルと旧ジャパンエナジーの合併が噂されたのも、どちらも年末のことだったらしい。そしてどちらの話も、年明けとともにいつの間にか消滅したという。年末に突然浮上する、昭和シェルにまつわる噂話に限っては実現しないのが常というのがこの話の落ちだが、これとて特に根拠があるわけではない都市伝説のような話だろう。報道通りに出光が昭和シェルを買収する可能性も、現状ではもちろん否定できない。
要は、「業界再編が加速する」といわれるこうした時期には、1%でも可能性のある話はすべて俎上に上ると考えておいたほうがいい。だからこそ、1つひとつの報道に一喜一憂していては身が持たない。不安を煽られるのはやむを得ないところではあるが、数ある情報の1つと淡々と受け止め、その後の推移を見守る冷静さが必要だ。それどころかむしろ、予めすべての可能性を想定して方策を検討しておくぐらいの周到さこそ、経営基盤が揺らぐほどの変化にさらされるこうした時代には求められるのかもしれない。
石油業界にとって激変が予想される2015年が幕を明けた。これからなにが起き、SS経営にどのような影響が及ぶのか。SS業界はどこへ向かえばいいのか。経営者の目でしっかりと見極め、的確な経営判断につなげていきたい。そして、様々な憶測と思惑に惑わされることなく、日々の商売の道標を見失わずにこの1年を乗り切っていきたい。

提供元:全国石油商業組合連合会
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