2015.01.29 のニュース
市況維持でマージン確保の局面 価格競争の再燃で赤字の心配も
ガソリン、灯油などの石油製品の仕切価格が大幅に値下がりしているため、販売業者サイドでは、末端市況を先取り値下げをせずに維持することでマージンを確保するチャンスが到来している。市況が堅調で推移している地区では、マージンが確保できて増益が見込まれているもので、一方、価格競争が激しい地区では、先取りして末端市況が値下がりしてマージンが減少して赤字となるSSも出ており、地域間で明暗を分けている。
足元の首都圏の街道沿いのガソリン市況は130円を割って、ボトム価格は125~6円/リットルとなっているが、都市部では130円台も残っている。掛売も値下げが遅れているケースはマージンを確保している。だが、これら堅調地区も時間が経過すると安値の影響を受けて、値下がりするため、どこまで市況が維持できるのかがポイントとなる。
原油価格の急落で足元の市況は、下落局面が長く続き混乱状況にあるため、下落地区を堅調地区と明暗を分けている。ガソリンの場合は関東では、茨城、千葉、埼玉、神奈川が安値となっており、岡山、山口なども値下がりしている。これらの地区は、石油情報センターの調査価格では135~6円となっている。平均は140円となっており、昨年7月が170円であっため約30円の値下がりとなっている。まだ140円台も残っているが、堅調地区でも地域内でも価格差が生じており量販店、PB、HCなどの攻勢があるところは価格競争が展開されている。安値は120円を割って117~8円となっており、低マージンによる価格競争が続いている。
仕切価格の値下がり局面では、一般的にはマージンが確保できるため、販売業者は有利になるが、価格競争がエスカレートすると、マージンが減少して経営難のSSが出るため、再び淘汰が始まることの心配も出てきた。本来は値下がり局面では有利となるが、価格競争が展開されることで廃業すらねらうSSの増加が警戒される時期となってきた。
それまで堅調地区では、マージンを確保しているため、一息ついている。12月の販売も前年並みとなっており、減販傾向が止まったが、1月は、再びマイナスに戻りそうであり2月は不需要期となるため減販が心配となる。
灯油、軽油もガソリンに連動して大幅な値下がりとなっている。ユーザーは燃料費のコストダウンを歓迎しているが、掛売となると、1ヵ月の間に10円程度の大幅な値下がりとなるため販売業者価格も交渉に苦慮している。値下がり局面では歩留まりもあり、マージンを確保しているが、これも、どこまで値下がりするか、不透明であるため値決めには苦労している。
今までの原油価格が100ドル/バーレル超えで高過ぎたとの見方もあるが、40ドル台の急落は予想外であり、その説明にも苦慮している。いずれは値上がりするとみられるが、値上がりの時期が分らない。今年の後半か年末には値上がりするとの説が出ているが、あくまでも予測である。
原油価格の安定を望んでいるが、米国のシェールオイルの生産とOPEC産油国との原油生産を巡っての我慢比べが続いているが、いつ決着するのかは分らない。今後の需給動向、地政学リスクが再燃するか否か、いろんな要因が絡むため見通しは難しいが、今が底値とみて、市況対策に取り組む時期にきたようである。