2015.02.02 のニュース
仕切値上げで下げ止めを狙う 下げ過ぎを警戒して市況是正を
ガソリンの仕切価格は、28日、29日適用でJX、昭和シェルが1円/リットルの値上げ、出光は据え置きを打ち出した。今回の価格改定で値上げとなったことから末端市況の流れが変わりそうである。仕切価格の連続した値下がりが続いているが、原油価格も40ドル台での低位で安定しているため、このあたりで下げ止めを狙った値上げとの見方もある。
販売業者も、末端市況は連続して値下げとなり、安値は120円/リットルを割って117~8円、街道沿いは130円割れで、下げ過ぎが心配されている。そのため今回の値上げを機に、市況是正に取り組む方向が出ることを期待している。
ただ、原油価格、為替の見通しが不透明であり、今後の原油価格次第となるが、ここで立ち止まり、冷静に対応する大切な時期となってきた。
仕切価格が連続して値下がりとなっているため、各社間にバラツキが生じており、調整する時期にきたようである。1月に入っての累計でみると3週で出光が9円、JXが5円50銭、昭和シェルが7円の各値下げとなっている。今回は出光が据え置きとしたが昭和シェル.JXが1円の値上げとしたもの。今回、1円の値上げとなったことから、下落市況に歯止めをかけたいところである。一方、JXの1月の加重平均は10円40銭(12月は7円60銭下げ)の大幅値下げとなっている。
また、石油情報センターの調査価格(26日)は平均で136円20銭となり、前週に比べ3円40銭の値下がりと、27週連続値下がりとなっている。このように値下げ圧力がかかっているため、今回は1円値上げが実施されたが、次週も値下がりしそうである。
昨年7月が170円であったため、通算すると24円の値下がりとなる。昨年12月15日が152円であったため5週間で16円の値下がりとなり、毎週3円強の値下がりとなっている。それだけ値下がりが加速していることになるため、反転して値上がりに移行するには、大幅な仕切価格の値上がりがないと難しいようである。
いつの時点でも先物、業転市況と仕切価格との価格差が拡大していることも問題となっている。仕切価格の値下がりが大幅で急であるため、実態の把握が難しい面もあるが、東石商の27日の調査では仕切価格は113円(最多値は112円)となり、消費税を加算すると122円となり、マージンを12円とすると、販売価格は134円となる。
業転は103円(ガソリン税抜きは49円)となっており、仕切価格との間の10円の価格差がある。消費税を加算すると111円となり、HC、量販店は6円のマージンでよいとすれば117円の販売でも可能となる。系列の仕切価格が消費税込みで122円とすると、120円割れの117~8円の販売価格は仕切価格よりも安値となるとの指摘も出ている。価格競争地区では市況下落によるマージン減が問題となっている。
一方では、仕切価格も連続して値下がりしているため、足元の仕切価格、販売価格も大きく変動しており、実態把握が難しいため、値下がり局面では市況が維持されている地区はマージンが増加しているケースもあり、一概に減益とは言えない面もある。ここで市況が維持できれば、まずまずのマージンは確保できそうである。