日刊ニュース

2015.02.09 のニュース

クルマ市場の変化を踏まえて

昨年1年間の新車(乗用車)販売台数は前年比3%増の470万台だった。うち登録車は0・4%減の286万台、軽4輪が8・8%増の184万台。軽シェアはいよいよ4割弱にまで達した。
過去10年間を振り返ると、前年対比で登録車が伸びたのはエコカー補助金の恩恵を受けた2010年と12年の2回のみ。対して軽は6回を数え、最高記録の更新が3年続いている。増減率でみると、登録車が15%減ったものの、軽は33%も増加した。台数ベースでは登録車が50万台減って軽が45万台増え、合計では1%減・5万台減にとどまる。ただ、SS業者は数字以上の影響を感じているのではないか。軽自動車は相対的な保有コストの低さが評価され、大都市部でも需要が増えている。
また、登録車の減少基調が続く中で増勢著しいのがHVだ。販売台数は08年には11万台、登録車シェア3・9%に過ぎなかったが、09年35万台、10年48万台、11年45万台、プラグイン車も登場した12年90万台、13年93万台、そして昨年は103万台とついに大台を突破し、登録車シェアの36%、軽を含めても22%に至った。大雑把に言えば給油量は半減。メンテナンスもカーディーラーにかなりの分がある。
軽4割+HV2割∥6割。これが乗用車市場の実態だ。ガソリン需要や油外収入に大きく響く要因であることは間違いない。しかし、一方では外車の人気が再び高まっている。過去10年間では09年に16万台へ落ち込んだものの、以降は5年連続で増え、昨年は29万台と登録車の1割、軽を含めても6%シェアへと浮上した。特にドイツ勢をはじめ主要メーカーが低価格帯のラインナップを充実させたことが奏功。500万円以下のタイプが75%を占めたが、1千万円以上の高級車も5・6%へと増加している。但し、外車のメンテもディーラーの囲い込みが一際強力だ。
車種構成の変化、低燃費化、油外販売機会の縮小…。クルマだけに焦点を当てる商売では活路が広がらないとすれば、ドライバーやその周囲の人、地域社会にまで目を向けたい。来店頻度の高さや配達業務などの恵まれた商環境を生かし、ニーズを聞き出す対話力、情報とノウハウを得る調査力・実行力、商売へとつなげる展開力を発揮したい。同時に、こうした力を身に付けた人材の持続的な育成も重要だ。

提供元:全国石油商業組合連合会
〒100-0014 東京都千代田区永田町2-17-14石油会館
TEL:03-3593-5751
FAX:03-5511-8870
ユーザーID:
パスワード:
ログインする
e-BISTRADE