日刊ニュース

2015.03.03 のニュース

精販の関係はどこへ向かうか

2月中に発表があるのではと噂された出光による昭シェルの買収だが、両社の決算発表時にも特段の説明はなく、結局動きがないまま2月を終えた。「ぜんせきweb」2月アンケートでは、この話題を取り上げるか否かで最後まで逡巡した。アンケート実施中に具体的な話がまとまると、アンケートのそもそもの意味が失われてしまうからだが、結局、一気呵成に物事は進まないと判断し、「元売再編」をテーマにアンケートを実施した読みは外れなかった。
 その2月アンケートではマークについて聞いた。元売再編が進む時、販売業界にはマークの変更という重大な影響が及ぶ。特にサインポールに掲げたマークは視認性も高く、SSの存在を主張するランドマークの役割を果たすだけに、変更には相当の抵抗感が伴うものと予想した。
 しかし実際には、「元売マークに強い愛着があるので、絶対に変わっては困る」との回答はわずか10%。「できれば変わってほしくないが、元売再編の結果ならやむを得ない」の52%はともかくとして、「元売マークならどれに変わっても全くこだわりはない」が32%も占めたことには、正直言って驚かされた。
 時代の流れということか。かつて元売は10数社存在し、それぞれが独自のマークを掲げていた。それがいまや主要元売は5社に集約され、マークも最多時と比べて半減している。もともとマークに強い愛着を抱いていても、合併、再編を繰り返しマークが次々に変更されていくうちに、マークに対する愛着そのものが薄れてしまっても不思議はない。
 かつて、親子とか車の両輪とかいわれた元売と販売業界との関係が、この10年余りの間に異質なものに変化してきたことは否定できない。そうした中、出光と昭シェルの組み合わせかどうかはともかく、元売再編最終章がこの数年以内に一気に進行することは間違いないだろう。それは、元売と販売業界の関係がさらに大きく変化することをも意味する。
 石油業界を取り巻く環境が厳しさを増すいまだからこそ、本来なら精販がこれまで以上に良好な関係を築き、連携して難局に立ち向かいたいところだが、実態はどうか。時代は変わりマークは変遷しても強固な関係性を守り抜きたいと、いま、心底お互いが思える存在なのか否か。変転の時だからこそ、精販が向き合い、そのことを真剣に考える必要がある。

提供元:全国石油商業組合連合会
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