2015.03.03 のニュース
仕切価格と業転との価格差が拡大 仕切の大幅値上げ先行で業転が遅れる
2月に入って仕切価格が急騰しており、販売業者はユーザー転嫁に取組んでいるが、夏場からの連続値下げからの値上げであるため戸惑いもある。とくに仕切価格は12月~1月の大幅値下がりとなったが、その後は一転して2月で大幅値上げとなっているため、その落差は大きく、業転との価格差も拡大している。
価格が大幅に変動する時期には、一時期は混乱するが、2月は大幅値上げとなり市況に勢いがついているため浸透している。ガソリンの仕切価格の動向をみるとJXの加重平均では昨年12月が7円60銭/リットル、1月が10円40銭と2か月で計18円の大幅な値下がりとなっている。一転して2月は2円80銭の値上がりとなっている。2月の値上げは加重平均で2円80銭上げとなっているが、累計では1月末(29日)から1円の値上げ、以降、1円、5円、2円、1円の各値上げで加算すると10円の値上がりとなっている。加重平均と累計とは違うが分りにくくなっている。
2月で仕切価格が、大幅値上がりしたため、販売業者はユーザーに取組んでおり、街道沿いでは124~5円相場から135円と10円程度に値上がりした。
一部では安値も残っているが、総じて2月転嫁は浸透している。石油情報センターの調査価格(23日)では、平均で138円となり2週間で4円の値上がりに止まり遅れているが、次回調査では、さらに値上がりするものとみられる。
原油価格(FOB)は昨年6月が110ドル/バーレルから今年1月には40ドル台に急落、2月の50ドル台に値上がりしている。一方、取引き実態を反映するCIF(輸入価格)で見ると円/キロリットルでは、7~8月が約7万1000円台であったものが、その後は下落して11月が6万3000円、12月が5万9000円、今年1月が4万8000円(48円/リットル)へ値下がりしている。CIFは輸入価格(到着価格)であるため足元のFOBに比べると1ヵ月以上は遅れるため2月価格は値下がりとなる。CIFは値下がりするが、時間のズレでFOBは値上がり局面となり、即仕切価格の値上がりとなり、ユーザー転嫁の最中となる。
国内の市況形成は、足元のFOBの原油価格を反映させることになっているためである、原油価格リンクに変更したが、業転、先物市況も先行指標としては存在している。そのため業転市況も値上がりしているが、仕切価格の値上がりの方が早く、その後に業転が値上がりするパターンと変わってきた。以前の仕切価格の改定は、業転リンク方式を導入していたが、原油価格リンクに変更したため、系列仕切価格の値上げが早く、業転は遅れることとなり、時間差が生じてきた。業転の値上がりよりも仕切価格の値上がりが早いため仕切価格が10円も高いというケースも出ている。
東石商の調査(23日時)でみると仕切価格は120円/リットル(最多値は121円)であるが、業転市況は108円となっており、その価格差は12円と拡大している。調査した時点が仕切価格の値上げした直後となったのと、業転の値上がりが遅れているである。価格差は時間が経過すれば、収れんして縮小するが、価格変動時には価格差が発生すことになる。業転安の系列仕切価格高の価格差は、設備処理によって需給がタイトになったため解消されたが再度、業転安という問題が出てきた。