日刊ニュース

2015.03.04 のニュース

在庫は前年比で大幅減少で推移も 仕切価格と業転との価格差は拡大

 ガソリン、灯油などの販売数量は減少傾向が続いているが、在庫も前年比では30~40万キロリットル減で推移している。そのため適正在庫の水準が変わってきたことになり、新しい在庫水準が求められている。以前はガソリン在庫が200万キロリットルが目安としていたが、148万キロリットル(12月末)でも供給面では問題はない。
 販売業者からは「設備処理の結果、需給も締まり、在庫が減少しているが、業転玉が出回っている。それだけ業転ルートが定着したことになるのか、仕切価格と業転との価格差は、縮小するよりも拡大している」との意見も出ている。
 最近のように原油価格が今年1月まで急落し、2月には反転して急騰する変動期にあるため、仕切価格に改定による値上げと業転市況の値上がりとの間に時間差が発生するため価格差が拡大することになる。仕切価格の値上がりが早く、業転の値上がりが遅いのが通例であるため、どうしても価格差が拡大することになり、最近では10円以上の価格差があるとの調査もある。
 在庫数量が減少しても、1年前とは需給状況が大きく変化しているためである。
 供給面では、高度化法に基づき設備処理が実施されたため、製油所の廃棄、製品タンクも廃棄され在庫能力は減少している。設備は撤去しても製品タンクは残しているケースもあるが、合理化で油槽所の統廃合が進み、備蓄能力は減少している。さらに、各社間の製品融通が実施されているのと、ローリーの大型化、セルフSSの増加で輸送面の効率化によって低在庫でも供給が可能な体制が整備されてきた。在庫数量を減らしてコストを削減を図るというコスト意識が強くなってきた。
 これに販売数量は年々減少しているため、自然体で臨んでも在庫減となってくる。さらに今後は供給増が続くため事業再編が求められているのが実態である。
 足元の稼働率は95%と高稼働率にあるが、設備処理によって供給減となっているためである。現在が稼働率はピーク時であるが、今後は需要減で供給増となるため稼動率が低下する。これから第二次高度化法による設備処理が実施となるため、3年後には40万バーレル/日に設備が処理されることになる。需要の減少が進むため、在庫が減少しても供給面では支障が生じなくなり、在庫を低位にするテンポも早まることになる。
 ガソリンの12月末在庫は148万キロリットルで前年比14%減、今年1月末は174万キロリットルで9%減となっている。灯油の12月末は246万キロリットルで9.6%減、1月末215万キロリットルで7.5%減となっている。
 石連週報(2月21日)での在庫は171万キロリットルで、前年に比べると33万キロリットルの減なっている。在庫数量でみると前年比では大幅な減少となっている。設備処理の影響で減産となり需給がタイトとなっているようにみえるが、実態は業転玉も出回っていることになる。前年比では大幅な在庫減であるが、逆に仕切価格と業転玉との価格差は拡大しているとの指摘が出ている。
 在庫の水準は低位となっているが、販売数量の減少が続いている。ガソリンの販売は12月498万キロリットルで前年比で1%の微増となったが、500万キロリットル(前々年は516万キロリットル)を割っている。今年1月は413万キロリットルで4%減となっている。2月は前年並みが見込まれている。
 灯油販売数量は12月が308万キロリットルで8%増、1月は276万キロリットルで4%の減となっている。2月も7%減が見込まれている。軽油販売は12月が308万キロリットルで3%増、1月が268万キロリットルで2.4%増と増加が続いている。軽油は復興需要と景気回復によって微増が見込まれている。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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