2015.03.16 のニュース
前年は大幅減販のため増販見込み ガソリン値下がりと好天気を期待
3月に入り、原油価格も安定して推移しており、ガソリンの仕切価格も小幅な変動に止まっている。第1週はJX、出光は据え置きとなり、2週は、昭和シェルが1円、JXが50銭/リットルの値上げとなったが、出光が据え置きとなった。
原油価格(ドバイ)は57~8ドルで推移している。為替は121円/ドルと円安に転じており、コスト増の要因も出てきた。
ガソリンは3月商戦に入り、増販期待となってきた。昨年3月のガソリン販売は495万キロリットルで前年同期比では8.5%の吉昭増となっている。これは昨年4月から消費税の増税が実施となったため、3月に仮需要が発生したためである。
その反動で4月販売は403万キロリットルで8.8%減となり、相殺されたことなったが2ヵ月間でみると減販となった。その後は、消費税の増税、原油価格の値上がりが重なり、ガソリンが高値となり、販売は減販が続くことになった。5月は3.8%減、6月は1.3%減となり7月は天候不順で9.6%減、8月も6.3%減となり、上期通期(4~9月)では5.5%減の大幅減となった。その後も減販が続いている。12月では1%の微増となったが、今年1月は4%減となり2月は横ばいが見込まれている。2月の仕切価格の値上がりを前に上旬に仮需要が殺生したが、その後は減販で調整させた。
このように減販が続いたが、ガソリン価格が値下がりしたこともあり、ここにきて増販期待が高まってきた。消費税の増税と原油価格の値上がりで昨年7月にはガソリン価格は170円の高値相場となり、ユーザーの節約が浸透した。その後は、原油価格が急落するという展開となり減販幅が縮小してきた。原油価格は夏場の110ドル/バーレルであったものが年末は50ドル台に、さらに1月は40ドル台へと急落した。その結果、ガソリン価格も120円台に下落した。2月には原油価格は50ドル台へと反発してきたため、ガソリン相場は130円値上がりとなってきた。しかし、昨年夏場の170円/相場からみると120円台に値下がりし、ここにきて130円相場に値戻してきた。
下落したためユーザーの消費対応も変わってきた。高値時は、数量、価格を指定した限定給油が多くなったが、最近は満タン給油が増加してきた。1円でも安値を求めるのではなく余裕を持った対応をみせている。
しかし、ガソリン販売の実態は値下がりしても、省燃費車の普及、若者の車離れなどから需要が一気に増販に転じることはないようである。14年度は大幅な減販となったため、その反動で15年度は、微増という予測もあるが、それでも基調はマイナスが続くことになる。
ガソリン価格が値上がりしても130円台であるため、天気に恵まれれば、増販は期待できそうである。3月販売は、前年が仮需のため大幅は増販となっているため前年対比ではマイナスとなるが、実質販売では増販を期待したいところである。
これから春の行楽シーズンに入り、4月末からはゴールデンウィークと繋がるため増販のチャンスが到来する。原油価格も安定しており、急騰することが予想される。現在の130円という販売価格で推移すれば、前年の販売数量が少ないため増販も見込まれる。
前年が減販であるため統計のあやとなるが、プラスに転じれば、見通しも明るくなる。