2015.03.17 のニュース
SS過疎化対策は実態調査から 新技術の導入、法改正など検討へ
SSの過疎対策として石油業界(石連、全石連)は、「SS過疎地対策協議会」を設置して、支援事業を実施するとになるが、まずは過疎地の実態調査を行ない、過疎地を念頭にした新技術、運営オペレーションの指導、法令改正など検討する。
SSでなく簡易な給油施設での給油となる。危険物扱いの従業員が常駐していないため、給油客が呼び出し駆けつけて給油するなど新しい方式を採用することになるため消防法の改正も必要となる。そのため給油に対して安全策が求められ、石油業界では「安全第一」を強調している。すでに相談窓口はエネ庁内に設置しているが、具体的動きが出るには時間もかかる。
過疎地とは、市町村内のSSが3ヵ所以下の地域を目安としており、全国では265ヵ所あるが、SSの減少が加速しているため今後も過疎地は増加する。自動車のような移動手段を持たない高齢者の冬場の灯油配送で支障が生じることが指摘されており。寒冷地では死活問題となるとの声も出ている。
過疎化問題の接点はSS業者となるが、SSの減少で対応は、限界にきている。SSは災害時でのエネルギー供給の「最後の砦」、サプライチェーンの最先端、などと位置付けられているが、そのSS業界は、販売数量の減少、価格競争による不採算から経営難となり廃業に追い込まれているのが実態である。SSはピーク時の6万から3万4000カ所に減少しており、半数の3万力所には数年後に、さらに大型セルフSSの導入で農村のフルサービスSSの減少は加速する。ガソリンの需要減とSSの減少は比例するが、どこまで減少するかは目途がたたない。
同様に災害時対応として、予覚推置を講じて中核SSを設置しているが、これも廃業するケースもあり、SS経宮が難しく、継続して運営ができないところが問題となっている。また、SSの立地条件を生かし、SS110番、災害時での一時休憩所防犯対策などの社会貢献活動を実施しているが、これらの施策もSS経営とは結びつかず、廃業に追い込まれている。
販売業者サイドでは「最後の砦として位置付けられているが、廃業、撤退が増加してSSが減少している。減少が続ければ、その社会的な役割を果たすことができず、矛盾したものとなる。そのため、これ以上SSを減らさない対応策を打ち出すべきである」と要望している。 しかし、自由化の流れの中で既存SSを維持する対応策の打ち出しは難しい。すでに自由化時代に入っており、競争が展開され、競争に打ち勝って残るのが元売の施策となっている。その結果、不採算SSを減らす政策がとられており、過疎地は今後も増加することになる。裏を返せば、経済性を追求すればするほど過疎地は増加することになる。
不採算で経営が成り立たない過疎地が増加しているが、その過疎地に対して石油業界が支援措置を講じることになる。過疎化対策の支援、協力策はガソリン、灯油の給油となるため石油販売業者が窓口となる。本来は自治体(市町村)が支援策を実施すべきであるが、地元住民と共に販売業者が対応することになる。過疎地問題は、その実態が不明部分もあり、自治体も問題点を握握していない面も多く、地域での説明会、セミナーの開催、先進事例の紹介などを行なうことになる。