2015.03.19 のニュース
3月末で原油価格の動向を注目 WTIとの価格差拡大も気になる
原油価格は、ここにきて軟化傾向をみせており、WTIが44ドル/バーレル、ブレント、ドバイが54ドル程度で推移しており、WTIとの価格差は10ドル以上となっている。国内の東商取の原油価格はドバイを円/キロリットルで換算して上場しており4万2000円程度推移しているが、前週に比べると1~2000円の下落となっている。3月決算の締め切り直前であり、今後の動向が注目されている。
原油価格は1月が40ドル台の底値から2月にかけて50ドル台(ブレントは60ドル台)の値上がりに転じたが、ここにきて下落している。WTIが先行して下落している。アメリカの原油在庫の増加を背景にしており、ブレント、ドバイも連動して下落気味であり、価格差も拡大してきた。
WTIは、以前は世界の原油価格の指標であったが、アメリカの国内の石油需給、景気動向などの国内の市場を反映して値動きするため、一時期は20Jと大幅な価格差が生じたため指標としては通用しないと言われて久しいが、再び先行して値下がり、価格差が拡大したようである。
最近はWTIに代わってブレントが世界の指標として認知されている。しかし、ブレントとWTIとの価格差が拡大すると原油価格の信頼性を失うのと市況が混迷する要因となるため価格差の縮小が望まれるところである。
ドバイについては、ブレントに連動するが、正式な取引所での形限されるものではなく相場感を伝えることになり、国内の輸入原油価格を決める指標として活用されている。その意味ではドバイが国内の輸入価格を決めるポイントとなっている。それでもWTIの値勁きは無視ができず、価格水準は参考にしないが、上げ、下げの相場形成では注視されている。
WTIが値下がりしているのは、これはアメリカ国内の原油在庫が増加しているためであり、国内の需給が反映しているものであり、世界の需給とは乖離している。原油価格の値下がりで国内のシェールオイル、原油の減産対応が伝えられている。シェールオイルも50ドルが採算面から限界となり生産を停止、原油生産のためリグの稼動が低下しているが、依然としてシェールオイルも投資を回収するため生産が続いているようであり、結果的として供給増、在庫増となっている。供給増となってもアメリカは原油の輸出をしているため、はけ口がなく在庫増となっている。だが、製品輸出は認めており、コンデンセートとして輸出を実施しており、日本にも輸出されているが、アメリカが輸出国となるとは予想外であり、シェールオイルの増産が昨年夏以降の原油価格の急落に結びついたことになる。 これに対してサウジなどOPEC産油国が減産対応することなく、生産を維持しているため、ここにきて原油価格の再下落を予想する見方も出てきた。3月末での原油価格は、3月決算の締切り時であるため、今・後の原油価格の乖向が注目される。1~3月を50ドル/バーレル、為替を12O円/ドルで見込み、見通しを発表していたが、原油価格が50ドルを超えると在庫評価損が縮小されるが、あと2週間であるが、今後の原油価格の動向が注目される。このままの54~5ドル/バーレルで推移するのか、下落するか、値上がりするかで決算の数字が変わるが、やや値下がり気味であるのが気になるところである。
国内の仕切価格の改定の根拠は、原油コスト(ドバイ)連動方式を採用しており、原油価格の変動の比重を多くしている。これに業転市況、他社の対応、足元の市況動向など総合的に判断して改定幅を打ち出すが、その時期では販売業者の思惑と元売との間でズレが生じることもあるが、元売が押し切っている。
2月の原油価格の値上がりで仕切価格もガソリンは10円/リットルの値上がりとなり、ユーザー転嫁に取組み浸透したが、3月に入り小幅な値上がり、据え置きが続いているため、末端市況も維持に努めているが、中だるみとなってきたようである。