日刊ニュース

2015.03.30 のニュース

原油コスト連動方式にも問題点 原油の大幅変動で市況実態と乖離

ガソリンの業転と系列仕切価格との間の価格差の拡大が指摘されているが、再び問題となってきた。原油価格の大幅変動が、現行の原油コスト連動方式による先行指標の仕切価格と市況実態との間に乖離が生じてきたことも要因となっている。
 業転問題は、販売業界では、高度化法の施行で設備処理によって生産が制約され需給が締まり、業転玉の出回り減少するとの見方もあったが、約1年を経過したものの、業転玉は減少することなく安定して供給されており、価格差を拡大させている。
 現在の週決めによる原油コスト連動方式が実施されているが、原油価格が大幅に変動したため、うまく機能せず、市況実勢との間に乖離が目立ったが、原油価格が落ち着けば価格差が調整されるとの見方もある。どんな値決め方式でも、賞味期限があり、元売、販売業者の双方が満足するものはなく、試行錯誤で今後も対応することになる。
 仕切価格の改定を業転連動方式から原油コスト連動方式に変更したが、昨年秋から原油価格が大きく変動(下落)したため、先行指標として打ち出された仕切価格と、業転市況との間の価格差が生じてきたもの。指標としている業転市況そのものが、実態から乖離したとの見方もある。直近の原油価格も変動に連勤し、先行指標として仕切価格を改定する。しかし、業転市況は、値下げの場合は即反応するが、値上げは直ちに反応せずに遅れるため、時間的なズレが生じることから価格差が発生する。
 以前の業転連動方式を採用していた時期では、指標となる業転市況そのものの水準が問題となった。業転にブランド料を加算して仕切価格を設定したが、業転市況を基準にしてはコストが回収できず赤字となった。そのため原油コストの変動分を、その都度、回収する方式に変更したもの。
 その狙いは、最低でも原油のコスト変動分は回収することで、赤字を避けることを狙ったものである。以前は月決めで原油コストに連動して回収する方式を導入していたが、月単位で実施したため、月末になるとコストの変動幅(仕切価格の変動幅)が、ユーザー、販売業者に分かり、値上がりが見込まれれば仮需要が発生し、値下がりが見込まれると買い控えが発生するため元売が不利となるため、この方式をやめた。
 その後は公平で透明な方式として週決めの業転市況の連助方式に変更した。だが、指標となる業転市況は、需給緩和が続いた状況下では、業転は常に安値となりコストが回収できず赤字となった。指標となる業転市況のものが関係者からの調査によるものである。実際の取引きが確定したものを資料としているが、市況実態とはかけ離れることもある。
 そのため昨年6月から今回の週決めの原油コスト連動方式に変更した。業転市況を対象とせず、原油価格の変動分は、回収することで黒字化を狙った。しかし、原油価格が大幅で激しく変動したため市況実態と乖離することになった。どの値を決める方式も一長一短があり、再度、変更して今日におよんでいるが、原油が大幅に変動すると、市況実勢とは乖離することになる。そのため仕切価格の再改定(調整)が行なわれている。当該月の月内で仕切価格は決着しているが、その結果が出て清算するのは、1ヵ月後となるため仕切価格が不透明となる。そのため足元の市況形成を難しくしているとの不満もあるが、事後調整の復活にも繋がるため、早期に仕切価格の決定するルールづくりが必要となる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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