2015.03.30 のニュース
赤字脱却で石油業固守したい
石油協会が毎年集計している石油製品販売業経営実態調査報告書の2014年度版によると、13年度決算期における1SS当たり月間店頭販売量の構成比は、ガソリンが6割強を占めた。うちレギュラーが53~4%程度と過半で、この傾向は08年度以降の過去5年を振り返ってもほぼ同様だ。ハイオクは漸減基調だが、燃料油は「ガソリン中心」の商売という構図は変わっていない。
ガソリン販売量を運営SS数別でみると、1SS業者の51㌔㍑に対し、10SS以上業者は154㌔㍑だから、ボリューム3倍。一方、1SS、2~3SS業者は灯油と軽油が4SS以上の業者を上回るなど、バランス販売を図っている様子がうかがえる。また、セルフ・フルサービス別では、フル51㌔㍑に対し、セルフ191㌔㍑で3・7倍。セルフの影響力は一層増してきている。過去5年平均比で、セルフの販売量は5%増え、フルは7%減少した。構造的な需要減局面にあることを踏まえると、この数字以上の格差が感じられているのではないか。
他方、レギュラー粗利はセルフ8.0円、フル11.9円。過去5年平均比で、セルフは0.1円、フルは0.2円悪化している。つまり、フルは「量・粗利ともに低下した」格好だから、これは厳しい。過当な競争環境などを背景に、小規模店の生命線である採算販売もままならない。そこで、中小ディーラーは点検整備、洗車、タイヤ・バッテリーなどの油外販売を強化。1SS、2~3SS、4~5SS業者の粗利はいずれも過去5年平均比を上回った。ただ、月間油外粗利は10SS以上業者の86万円に対し、1SS業者は31万円と3分の1弱、2~3SS業者も58万円にとどまっている。
営業利益ベースの赤字企業比率48%・・・。だが、この内訳は10SS以上=14%、6~9SS・4~5SS=各32%に対し、2~3SS=42%、1SS=53%と、運営SS数が少ないほど赤字に陥っているのが実態だ。小規模店を中心に、経営は苦しい。それでもなお、今後の経営方針として「廃業を考えている」は1割、一方で「継続する」が7割に達した。
石油販売業への愛着と、社会的責務を果たし続けていく意思の強さが表れている。まもなく新年度。組合員の声を踏まえつつ、期待に応えうる組織活動を一層強化し、健全経営をサポートしたい。