2015.04.13 のニュース
27年度需要 ガソリン、経由は増加するも 前年の大幅落ち込みの反動で
石油市場動向調査WGは9日に開催され、平成27~31年度の石油製品需要見通しを決めた。向こう5年間の見通しを策定、備蓄法の基準目標数量を算定する根拠となるが、各社の事業計画の参考に、高度化法の設備削減の資料として活用される。現在審議中の長期のエネルギーミックスの基礎資料にもなる。
27年度の燃料油全体(電力用C重油を除く)は1億7331万キロリットルで前年度の比べ0・9%の増となり。5年間の年平均は1・4%減、全体では6・8%となる。電力C重油は電力が原発の停止しており、電力供給計画を策定していないためである。
それでも電力C重油の26年度の見込みは1096万キロリットルを、そのまま加算すると全体で1億8427万キロリットルとなる。その後も同数を5年間加算して算出すると年率で1・3%減、全体で6・4%の減となる。
27年度がプラスに転じたのは、26年度の見込みは全体では1億8277万キロリットル(電力C重油1096万キロリットルを含む)で前年比で5・6%の大幅減となっているためで、その反動で27年度は微増に転じている。だが、その後はマイナスで推移するため基調は減少が続くことには変わりない。
油種別ではガソリン、軽油、ナフサの需要が27年度はプラスとなっている。
27年度のガソリン需要は5319万キロリットルで前年比で0・3%増となる見通しとなっている。26年度は5302万キロリットルで、前年比4・3%の大幅減となっており、その反動で27年度がプラスとなるが0・3%の微増となる。増加は5年ぶりとなるが、前年の落ち込みが大きいためで、2年間でならせばマイナスとなり、27年度で区切ると統計上はプラスとなるが、一過性ものであるとみるべきである。
とくに26年度は、特殊な要因が重なった。4月からの消費税の増税と、原油価格が高止まりで夏場ではガソリン販売価格が170円/リットルの高値となったため、節約が浸透した。天候不順となり、大雨、台風の到来が相次ぎ需要が減少したことが、特殊要因としてあげられる。その結果、上期で5・5%減となった。ガソリン販売価格は年末に向けて急落したが、需要が回復するまでに至っていない。
今後は、保有台数に基づく総走行距離は横ばいと想定しているが、ハイブリッド車など省燃費車の普及から、需要は年串で約2%が減少する。EV、FCVはまだ普及期であり、ガソリン需要に影響を与えるとは見込んでいない。
ちなみにエネ研の年末での見通しでは、前年が3・6%減で27年度は1・5%増と見込んでいた。
軽油は27年度は0・7%の微増を見込んでいる。エネ研では0・2%の増を見込んでいた。前年が消費税の増税などの影響で1・6%減となり、その反動と経済成長による貨物輸送の増加で0・7%の微増となると見込んでいる。軽油は復興需要もあり、24年度は2・1%の増となっている。震災後も微増が続いており、復興需要と景気回復を見込んでいる。なお、クリーンディーゼル車の本格的な発売が伝えられているが、軽油需要に占める割合は少ないとみている。
灯油は27年度は1653万キロリットルで1・9%減、5年間の年率は4%減となり、今後も減少が続く、電気、ガスヘの燃料転換が続くのと、寒冷地での人口減が拍車をかけることになる。消費税の2次増税で29年度は反動減により大幅減少を見込んでいる。