日刊ニュース

2015.04.20 のニュース

仕切値上げ 末端市況に反応せず 業者のマージン減少は今後も続く

 石油情報センター調査(14日)によるガソリン価格は139円/リットルとなり、前週に比べて40銭の値下がりとなり3週連続で通算で1円50銭の値下がりとなった。軽油は118円70銭で30銭、灯油(SS店頭)は83円90銭で20銭の値下がりとなった。
 4月に入り、仕切価格は1週が1円から1円50銭の値上げ、2週は据え置き、3週は1円から1円50銭に値上げとなっているが、市況は下落している。そのため販売業者サイドでは、仕切価格の値上げを受けて市況立て直しに取り組む構えにあるが、仕切価格の値上がりが小幅であるのと、4月で仕切価格を調整したこともあり、まずは安値の引き上げとなる。
 仕切価格の変動と末端市況との間にズレが生じていることになる。仕切価格が値上がりしても、末端市況は直ちに値上がりすることは難しく様子をみることになる。そのため末端市況の値上げは遅れ、販売業者が仕切価格の値上がり分をかぶることになる。この流れが変わらず需給がタイトで供給不足となり、業転市況が値上がりする状況になるが、大勢は末端市況は値下がり、マージンが減少するパターンが続いている。
 ガソリン市況は昨年は秋以降、今年1月までは値下がりが続いたが、2月からは仕切価格が値上がりに転じた。石油情報センターの調査価格でみても、昨年7月の170円から今年2月には134円となり36円値下がりした。2月から仕切価格が値上がりとなり3月23日には140円40銭となり6円の値上がりとなった。その後は値下がりに転じており、足元は139円(13日)となっているため値下がり気味である。
 販売業者による市況対策は、仕切価格が値上がりしても1~2円では、ユーザー転嫁が難しく、2~3週間待って3~4円の幅で転嫁することになるため時間的ズレが生じる。転嫁を待っていると、その間に原油価格も変化(値下がり)すると、ユーザー転嫁が途中で見送りとなるケースも多い。
 仕切価格の改定は週決めとなっているが、ユーザー転嫁は毎週実施することは難しく、値上がり局面では未転嫁となり販売業者がかぶることになる。一方、仕切価格の値下がり局面では、末端市況を維持すればマージン増となるが。逆に先取りして値下げして利益を吐き出すのが慣習として残っている。このように値上げ、値下げのどちらのパターンでもマージンが減少することになるため、SS経営難は続くことになる。
 結果的には、ガソリン販売のみでは適正マージンが確保できず、油外収益を確保することでSS経営の健全化を図ることになるが、マージン減、油外収益も確保できず、年間で2000ヵ所程度のSSが廃業している。ガソリン需要は、今後5年間は年率2%は減少が見込まれており、SS数も減少が続くことになる。
 その中身は、セルフは増加するが、フルサービスSSの減少に加速がかかる。小規模のフルサービスSSの経営者は、地場の特約店であるため、ますます販売業者が減少することになり、セルフSSのシェアが増加することになる。
 セルフSSの運営は、元売販売子会社、HC、PB、量販店となり、特約店の数が減少するため、石商活動も縮小することになる。セルフSS間の競争となれば、価格競争のみとなり、市況対策は二の次となるためSS経営難が続くことになる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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