日刊ニュース

2017.02.06 のニュース

「満タン運動」第一歩

 昨年9月の全石連理事会で、栃木の村上芳弘理事長が「ガソリン満タン&灯油プラス1缶運動」の全国展開を提案された際に、熊本の三角理事長がこれに対して次のように発言されている。
 「満タン運動には大賛成だ。以前この話が出た時にはとても無理だと思ったし、まさか熊本で地震が起きるとも思っていなかった。しかし実際に地震は起き、地震の30分後には給油待ちの車列ができた。給油の順番をめぐって客同士のトラブルもあった。私自身、車中で1週間暮らした。経験してみて初めて満タンの大切さを実感できた」。
 実体験された方ならではの貴重な発言だ。人は実体験なくしては、なかなか事の本質にまで思い至ることは困難だからだ。しかしその一方で、47都道府県の理事長全員が震災を実体験するまで「満タン運動」の全国展開が実現しないというのでは、この問題は永遠に前に進まない。
 いまは、この5年の間に東北と熊本の石油販売業者が大震災を実体験し、その体験の中で「満タン」の大切さを痛感した事実を重く受け止めるべきだろう。その実感を一人でも多くの石油販売業者に伝えることが、「満タン運動」を全国展開していくうえで欠くことのできないエネルギーとなるはずだ。
 補助事業として事業開始が迫っている「住民拠点SS」も、災害に備えるという意味で目的は同じだ。ただし、「住民拠点SS」が災害が発生した後の地域住民の不安感払拭を目指しているのに対し、「満タン運動」は災害が発生する前からいざという時に備えることで、不安感を軽減する狙いがある。
 その意味で「住民拠点SS」と「満タン運動」は、石油やSSが、災害時に地域社会にとっての“最後の砦”となり得ることを裏付ける、力強い両輪と言っていいだろう。
 全石連の「満タン運動」が、いよいよ具体的な第一歩を踏み出そうとしている。「『満タン』&『プラス1缶』運動推進委員会」は26日に開催した会合で、今後の活動方針についてとりまとめるとともに、石油連盟など関連各団体に対して協力要請を行っていくことを決めた(別掲)。
 一人でも多くの石油販売業者がこの運動の趣旨を理解し、運動に参加していただくことを期待したい。そしてこの運動を全国展開することで、SSの存在意義がより深くドライバーに認識されるよう祈念したい。

提供元:全国石油商業組合連合会
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