日刊ニュース

2017.02.06 のニュース

精製能力削減の継続は供給確保に不安

第6回の石油精製・流通研究会は2月27日に開催されるが、事務局からたたき台が提示され、テーマとなる高度化法の第3次告示の方向性、商取引慣行のガイドライン策定、などについて審議することになる。
時間的には7回目は3月中旬に開き、そのあとは数回開き4月にはまとめ、資源・燃料分科会に報告する予定である。高度化法の二次告示による設備能力の削減は三月末で終えるため、その後の三次告示が求められているもので、三次を策定するか否か含めて方向性を示すことになる。ここで方向性をまとめ省令で告示となり施行される。
商取引のガイドラインの策定は法的措置ではなく、経産省と石油業界による自主的なルール作りとなる。そのため高度化の三次告示については資源・燃料分科会の中間論点整理で策定するか田舎を含めて検討することになっていたものであり、前回の研究会に本格的な議論を開始する前に石連が見解を提示した。今後の製油所の方向性について単なる精製能力の削除ありきではなく、需要減での余剰生産能力を活用して①輸出の拡大②石化シフトで対応する、の方向を示している。そのため、今後の議論は精製能力の削減の方針を転換して、輸出拡大策、石化シフトを狙った分解装置の増強等の支援策を検討することになる。石連の見解は、第一、二次告示で実施した設備削減の方式の継続を変更する方針を打ち出している。一、二次告示で約140万バーレル/日の設備能力の削減されることになり、これ以上設備能力の削減することは限界となるとの見方から、三次告示では設備処理では対応しないとの要望となっている。
それでも需要は現象が続くため過剰となるが、その対応策としては①余剰能力を活用して輸出の拡大する、②石油化学シフトなど付加価値の高い製品の生産を拡大するとの対応策で供給増を解消するとしている。
石連の「設備能力の削減が難しい」との見解が、研究会の場での議論されることになる。その扱いが注目されるが、石油業界の意見がはっきりと示されたことで方向性の議論が本格化する。
高度化法による一次告示で過剰設備を廃棄することで精製能力が削減され、需給の安定化に寄与した。二次告示となると、設備そのものを廃棄することは難しくなり、ほとんどが公称能力の削減で対応していることになっている。設備は廃棄するのではなく、設備そのままで減産して、数字生産量を合わせている。設備廃棄、製油所の閉鎖等の対応は難しくなっている。特に1トッパーの会社では引き続き能力を削減すると操業ができなくなるのと、効率が悪くなるため設備対応では限界となってきた。
今までの検証を行いながら、今後の方向性を検討するが現行の方策を継続すると更に精製能力を削減することになると石油の安定供給の支障をきたすことが心配されている。特に緊急時では供給が担保できない状況が予想されてきた。
一方では、元売りの再編が進み、JXと東燃の経営統合で4月からJXTGが発足するが、同時に合理化を追求するため、発足後には製油所、油槽所の統廃合を検討するなどの自主的な対応も予想される。同じく出光と昭和せるの統合も調整が継続しており、石油業界も大きな変革期を迎える状況に有り、新体制による新戦力などの方向を持つとの見方もある。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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