日刊ニュース

2011.01.28 のニュース

ガソリンの値上がり続く ユーザー転嫁浸透も再度取組みを

石油情報センターの週動向調査(24日)によるとガソリン価格は137円80銭/リットルで前週に比べ70銭の値上がりとなった。四捨五入すると138円となるが、前週に比べると1円の値上げとなり8週連続の値上がりとなる。
 11月が132円であったため、これに比べると6円の値上がりとなる。12月で2円、1月で4円の値上がりとなり、1月に入ってからは毎週各1円の値上がりが続いている。
 首都圏でみると東京が139円、神奈川が138円に、安値であった千葉、埼玉は134円、高値の長野、新潟は140円となっている。経産局別では北海道が140円、九州は141円へと値上がりしている。
 原油価格(WTI)が昨年9月には76ドル/バーレルであったものが12月には89ドルに高騰、今年1月上旬には91ドルまで値上がりしたことを反映したものである。この間、約15ドルの値上がりとなったが、為替が82~3円/ドルという円高で推移したためコスト増は抑えられたことになる。それでも仕切価格は6~7円の値上がりとなり、販売業者もユーザー転嫁に取り組み、ようやく浸透してきたが、未達分の回収もあり、引続き市況対策が求められている。
 ただ、ここにきて原油価格が下落気昧であり90ドルを割って88ドル台に値下がりしてきたことが気になるところである。しかし、中東物は93ドル、南方物は100ドル台の高値で推移している。日本の原油輸入の大半は中東産であり、原油価格は中東物に連動するため、依然として90ドル台の高値であり、引続いての市況対策が必要となる。
 原油価格はWTIが指標となっているため、販売業者もWTIを参考にして対応しているが、最近の原油価格はブレント、中東が高く、WTIが安値という価格体系に逆転しており、この動きを注視する必要がある。今後は、原油価格の値動きがポイントとなるが、先物、業転市況の動向も注目される。
 一方、ガソリン需給は、在庫も220~230万キロリットルの低在庫で推移しており、タイトである。その結果、先物、業転市況は堅調に推移している。灯油在庫は22日には194万キロリットルと200万キロリットル割れの低位で推移しており、業転市況が堅調で、これがガソリンの業転市況を支える役割を果たしている。先物でみるとガソリンは58円であるが、灯油は65円で、灯油の方が7円も割高となっている。冬場は「灯油高のガソリン安」という価格体系となるが、灯油高が目立っている。灯油の値上がりで元売、販売業者もマージンは確保している。元売としても冬場は灯油の増販で増益を図りたいという思惑もあるが、灯油販売が厳冬の割りには伸び悩んでいる。販売業者もマージンは確保しているが、増販は期待外れとなっているようである。昨年12月も前半は気温が高く、年末年始から寒波が到来して荷動きが活発化したが、12月は前年を下回ったようである。1月は増販が期待されているが、電気、ガスヘの燃料転換が進んでおり、全国的に冷え込んでいるものの、大幅な増販とはなっていない。灯油シーズンはあと1ヶ月である。SS販売の基本は、ガソリンと軽油の販売であり、適正マージンを確保するために、再度、市況対策が重要となっている。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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