2010.06.28 のニュース
論説 29億円の徴税マシーンの残像
2018年3月末、ついにSS数は3万ヵ所を割った。日本の道路・クルマ社会事情では、電気自動車が目に見えて増えつつあるとはいえ、7千万台のうち燃料が必要なクルマは6千5百万台。燃料電池車や水素自動車はまだ実証試験段階だが、バイオE10対応の車両は相当、増えていそうな社会だが、JAF会員や自動車保険の緊急出動の理由トップは圧倒的にガス欠という姿となろう。09年度の登録SS数の減少率がこのまま続くと、こんな外観のクルマ社会が出現する。
これから我4が直面する消防法の省令改正による老朽地下タンクに対する漏洩防止措置の義務化への対応。この要件が加わると、さらに減少率が上ぶれする危険性が高く、SS過疎地問題は、少子高齢化問題で口ーカル地域では特に増幅されて、その反作用が頻発する事態が想定される。都市ガスインフラが備わっていない地域において、暖房油の要素をここに加えた地域社会は、かなりの制約を受ける事態が懸念される。我々は、そうした社会を出現させないよう、政治に、行政に、警鐘を鳴らし続けなければならない。
我々は自助努力を重ねながら、再投資、設備更新に必要なSS粗利に対する理論武装も必要だ。すでにSS土壌に潜んでしまっているリスク対応という要素も今後、強まることはあっても、弱くなることはない。揮発性有機ガスヘの対処もある。厳しい経営環境の中で、なんとか赤字を免れている、なんとか経営を維持できているという現状、単に日常的なSS経営に必要な資金を稼ぎ出す現状は、これらの近未来の必須コストを見据えた場合、法規制の強化とともに毎度、経営難が立ち塞がる自
転車操業の範ちゅうでしかない。
こうしたリスク対応を完全武装して明日、新設オーブンするSS、しかも異業種からの新参入事業者によるSSが権勢を誇る2018年。一方で、開業前年を経過したSSは放置され残骸をさらす。40年間、ガソリン税53.8円、月平均100キロリットル、軽油引取税32.1円、月20キロリットルのSS。締めて28億9133万円のガソリン・軽油税の徴税マシーン。40年間、クルマと家庭暖房を支えた地域の工ネルギーインフラ。地域の安心・安全を支えた拠点。これらが機能を停止した姿である。
参議院議員選挙が公示された。我々が直面する深刻な事態を、候補者に率直に話をしてみよう。