日刊ニュース

2011.03.09 のニュース

仕切 連続で大幅値上げ ガソリンボトム146~148円 ―都心部は150円相場へ―

ガソリンの仕切価格は、5日からエクソンモービルが4円50銭/L、出光が4円80銭、JX日鉱日石エネルギーが4円90銭の各値上げを実施した。前週の2月26日から3円50銭の値上げを実施しているため、2週間で8円から8円50銭の値上げとなる。今までの未達分を加算すると約10円の値上げとなる。2月26日から値上げ分のユーザー転嫁は3月からの取り組みとなり、首都圏のガソリンのボトム価格は141~3円となり、量販店の安値価格は139円となっている。5日からの仕切価格が約5円値上げとなり、そのまま5円をユーザー転嫁すると末端市況は今週にも146~8円となり150円に接近する。都心部ではj50円台となり、ガソリンは再び8年の高価格時期に入る。150円台となるとユーザーの消費節約で販売減が心配される。
 原油価格はWTIで100ドル/バーレル台に乗せ、中東産は110ドル台と高騰している。リビアは反体制運動で内戦状能となり、簡単には解決が難しく、中東産油国への波乃が心配されている。リビアは160万バーレル/日を生産、ヨーロッパに輸出しているため需給に影響しておりブレントが急騰して116ドルと独歩高となっている。サウジが増産で対応する方針を伝えているが、需給とは関係なく、先高の思惑と投機資金が原油市場に流入して高騰している。先進各国は商品相場の高騰に対して監視を行なっているが決め手がない。原油の供給途絶という状況にはなく、2月22日にリヤドで行なわれたIEF(国際エネルギーフォーラム)では、市場の安定に向けて産消双方が協力していくことを確認したことになっているが、原油価格は高値が続きそうである。
 元売サイドも危機感を強めており、一気に仕切価格を連続して値上げすることになった。先物、業転市況も値上がりしているが、原油価格の値上がりのコスト増を先取りして仕切価格を値上げしている。そのため販売業者も急な仕切価格の値上げには戸惑いを見せているが、元売の強気な方針を受けてユーザー転嫁に取り組んでいる。
 仕切価格の値上げを受けてユーザー転嫁に取り組んでいるものの、即日実施とはならず、どうしても遅れる。石油情報センター調査価格は2月28日は139円で前週に比べて1円の値上がりであるが、先週では140円に乗せており、7日調査では大幅な値上がりとなる。引続き今週も5円の仕切価格の値上げを受けてユーザー転嫁に取り込むため、ガソリンの末端市況は150円に近づく。都心部では150円相場となるが、一方では販売減も心配される。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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