2011.04.18 のニュース
中間留分高のガソリン安に 大震災で価格体系に変化 ~軽油は復旧作業で需要増~
ガソリンの供給増が心配されている。東日本大震災直後、ガソリン不足からSSにユーザーが殺到して混乱したが、西日本の製油所がフル生産で稼動したことで供給増となってきた。さらに、電力用C重油が増産となるため、連産品であるガソリンが先行き供給増となる見通しであり、先物、業転市況は「ガソリン安の中間留分高」で推移している。先物はガソリンが6.9万円/KL、灯油が7.3万円/KL、軽油が7.4万円/KLとなり、ガソリンが5千円程度の安値となっている。本来ならば、春先からガソリンの需要期入りで高値となり、灯油・軽油などは不需要期に入るため値下がりするが、震災の影響で中間留分がガソリンに比べ高値となっている。
「ガソリン安の中間留分高」の価格体系は、東日本大震災の影響で、復旧・復興作業のトラック、重機の投入、工場の自家発電機稼働で、軽油など中間留分の需要増が見込まれ、需給はタイトになっている。
軽油は、トラック、重機の燃料であるため値上がりしているが、ガソリンはレジャーの自粛など、また節約が浸透しそうであり、販売減が心配されている。
加えて、電力用C重油の増産となると、連産でガソリンなどが供給増となるが、軽油やジェット燃料油などの中間留分は輪出で対応も可能となる。ガソリンは輸出が規格面で難しいため、供給増となると、逃げ場がない。
日本のガソリンは高品質で、サルファーフリーであるが、輸出となると、各国の性状規制に合わない。そのため、ガソリン基材として輸出することになるが、数量は少ない。
ただ、これから製油所の定期修理に入るため、大幅な供給増とはならない。ガソリンは大震災で供給不足となっていたが、一転して供給増が心配される状況に変わってきた。