日刊ニュース

2010.06.25 のニュース

時評 HCがプライスリーダー役 -ガソリン市況立直しに水をさす-

HC、量販店のガソリン販売価格は122円/Lとなっており、ガソリン市況のプライスリーダー役を果たしている。販売業者からは「122円相場は仕切価格(消費税を含む)と同水準であり、これでは対抗できない」との反発が出ている。ちなみに東石商が22日に役員から調査したガソリンの仕切価格の平均は117円09銭で消費税を加算すると122円95銭となり、HCの123円と同値となる。業転価格は111円65銭、消費税込みで117円23銭となっている。
 HCのガソリン販売価格の設定は、常に業転市況にプラス5円のマージンを加算したものとなっている。業転市況の117円に5円を加算すると122円となる。この販売価格は計算上では成り立っている。過去にもHCの販売価格は安価であるとして周辺の業者が不当廉売の疑いで公取委に申告したが、公取委から該当しないとの白の判定が出されており、今のところ打つ手はない。
 とくに6月から新々体系に移行したため、プランド料として2円程度が加算され、仕切価格と業転市況との間に5円以上の価格差が生じてきた。東石商の調査でも仕切価格は117円(消費税抜き)で業転市況は112円となっており、5円の価格差が出ている。今までは約3円の価格差であったため、仕切価格は2円程度が底上げされたことになる。
 元売は新体系に移行後、赤字が続き、その打開策としてブランド料の名目で仕切価格を実質2円程度値上げしたもので、その結果、販売業者は業転市況に比べると4~5円割り高な仕切価格で購入することになった。
 販売業者からは「元売はマージン増となるが、仕切価格の値上がり分をユーザーに転嫁できず、不利な立場にある」と反発しているものの、妥協して新しい契約を締結している。販売業者の自衛策としては、安い業転玉を手当てすることになるが、実際に業転市場から玉を購入するにはリスクも伴うため難しい。それでも業転玉を購入する業者は増加するが、元売との綱引きとなる。
 今後、業転市況が、どのように形成されるのかが注目される。製油所の定期修理が終わり、停止していた設備が立ち上がるため、供給増となれば、業転市況は値下がりすることも予想され、元売としても正念場を迎える。
 業転市況が値下がりすれば、業転玉を購入しているHCは値下げして販売するため末端市況は連動して値下がりするという悪循環が繰り返されることになる。現在はHCの販売価格に追随して周辺は130円割れとなり、127~8円に下落しており、都市部では、130円台の攻防が続いている。原油価格が値上がりに転じ、中旬から市況立て直しを図ったが、HCが逆に122円に値下げしたため不発に終わったこともあり、末端市況の形成はHCの出方にかかっている。
 一方、HCは異業種であるためパイプもなく、業転玉を購入して経営しているため、対抗するには、業転市況を値上げするしか方策はない。HCに玉を供給しているのは、商社系、大手販売業者が予想されているが、元売は知らないと回答している。それにしても大量の取引きであり、元売がまったく関知しないというのは不可思議である。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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