2011.06.03 のニュース
6月ガソリン市況対策 元売、減産で需給調整へ ~5月は市況急落で業績悪化~
平成23年度に入り、4、5月と経過したが、東日本大震災の影響で、石油製品は販売減が続き、市況下落と重なり、石油業界(完売、販売業者)の業績は悪化してきた。4月は市況を維持したが、5月に入って原油価格が急落したこともあり、ガソリンなどの末端市況が下落したため、マージンは一気に減少した。5月では仕切価格が値下がりとなったが、それ以上に末端市況は急落しており、そのため5月入りを機に、元売は減産による需給調整で市況の立て直しに取組み、マージンの確保を狙うことになった。その後、原油価格は値上がりに転じており、6月は仕切価格の値上がりも予想される。販売業者は、当面は様子ながめであるが、元売の対応をみながら、市況対策に取り組むことになる。
6月入りとなり、元売、販売業者は、値下がりした`市況対策に取り組むことになる。元売の4月月次業績は、市況が維持され黒字となったが、5月に入ってからの原油急落を受けて、末端市況も下落して、業績は悪化してきた。
販売減は3月から続いているが、4、5月は大幅な減少となっている。ガソリンの4月販売は、前年同月に比べると12%減、5月も10%程度の減少が見込まれている。
加えて、大震災後の製油所フル稼働、輸出停止の緊急時対応をしたため、製品の供給増となり、市況が急落することになった。結果的には緊急時対応が裏目に出たことになる。
仕切価格は5月に入って、中旬から3~4円/Lの値下がりとなったが、ガソリンの末端市況の値下がりは、仕切価格の値下がり分を上回り、10円程度の値下がりとなっている地区もある。
原油価格は、WTIが100ドル/バーレル台に乗せており、安値であった5月中旬の97ドル台に比べると値上がりしており、中東産も110ドル前後で推移している。リビア情勢のため、値上がり傾向となっている。
ガソリンの末端市況は、安値は133~5円となっており、街道沿いSSは140円の前半であるため、販売業者のマージンは減少し、経営難となっている。そのため、6月にはマージン確保のために、市況対策に取り組むことになる。