日刊ニュース

2011.07.20 のニュース

ガソリン在庫は低位で推移 末端市況は横ばいを維持 ~需給締まり業転市況も安定~

 ガソリン需給、市況は安定して推移している。ガソリン在庫も210万KL台で推移し
ており、末端市況も、148~9円/L相場で安定している。原油価格はWTIで95~98ドル/バーレルと100ドルを割っているが、中東産は110ドル台という高値で推移している。「WTI安の中東産高」という休系が続いている。中東産はWTIに比べて高値であるが、価格変動は小幅である。日本の輸入原油は大半が中東産であるため。価格に連動するコスト変動も小幅となっている。販売は連日の猛暑で好調であり、増販が期待されている。最近のガソリン市況を石油情報センターの調査でみると5月25日の153円をピークに7週間連続して値下がり、6月31日に147円まで値下がりしたが、その後は仕切価格の値上げもあって149円に戻して横ばいで続いている。原油価格も安定して推移しているため、国内の業転市況も125~6円で安定している。ただ、為替が78~79円/ドルと円高で推移しているのが気になるところである。
 昨年よりも早い梅雨明けとなり、連日の猛暑が続くことで、ガソリン販売は増販が期待されている。これからの夏休み入りとなり、SSも増販を狙いキャンペーンを展開する。天候不順での減販を心配することなく、今年は好調なスタートとなった。だが、これから
は台風の到来もあり、まだ予断を許さない。
 ガソリン需給は、6月の定期修理、製油所の操業停止もあり、元売の市中買いもあって「バージ(海上)高のローリー(陸上)安」という逆価格差が8円にも拡大した。本来ならば大口のバージ物が安値であるが、逆に高値となり、さらに価格差が拡大する異常な状況となった。これに連動して、ローリー物も値上がりしたため仕切価格も値上がりした。ここにきて海上・陸上の価格差はなくなり、安定してきた。東工取の先物も70円/L(ガソリン税除き)前後で推移している。
 定期修理も明けるが、各社とも、一気に増産することなく、減産と輸出増で対応、国内需給を優先する方針で臨んでいるため、当面の需給はバランスを保つものとみられる。原油価格の見通しは難しいが、大きく変動することなく安定して推移しそうである。このように各社は需要に見合った生産管理と、供給増には輸出で対応する需給環境も整備されてきた。そのため販売業者は、現行の市況を維持することになる。あとはSS間での価格競争を自粛して適正マージンを確保することが課題となる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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