日刊ニュース

2011.08.03 のニュース

C重油を除き各油種の販売減続く ―C重油 輸入対応で需給は安定―

 6月の燃料油販売は1397万KLで前年同月比で2.7%減となり、3月以降、4ヵ月連続のマイナスとなっている。6月販売を油種別でみると軽油が2.1%増、C重油が14%増となったが、ガソリンは1.7%減、灯油は27%減、A重油は19%減など他油種はマイナスとなっている。3月11日東日本大震災を機に販売減が続いているが、軽油は大震災の復興需要、C重油は原発事故による石油火力へのシフトによるものである。
 4~6月の累計では燃料油販売は6%減となっている。C重油は6%増であるが、ガソリンが4.8%減、灯油は23%減など各油種はマイナスとなっている。今後も景気の回復が遅れて販売はマイナスが続くとみられている。昨年度は厳冬と猛暑となり、8年ぶりに微増となったが、今年は大震災を機に販売減が加速する見通しとなってきた。福島原発の事故の収束の目途もつかず、被害も東北一帯と大規模となっており、復興の状況を把握することが難しいため、石油需要の見通しは難しくなっている。そのため経産省は今年度の需要見通しを策定することができず今日におよんでいる。
 エネ研では今年度の予測を発表した。燃料油販売は1.2%減、ガソリンは4.1%減、軽油は4.3%減、灯油は4%減などを見込んでいる。燃料油販売の1.2%減は「原発が9月で再稼働する」とした場合のもので、電力C重油は30%増を見込んでいるが、それでも他油種の落ち込みでマイナスとなる。
 「再稼働しない」場合は、燃料油では2.2%増となる。これは電力用C重油が138%と大幅に増加すると見込んでいるためである。他の油種は、同様に販売減を見込んでいる。
 石油各社は自ら販売計画で対応しているが、4~6月の需給取り組みは販売減を見込み、減産で対応しており。供給増には製品輪出増で臨んでいる。幸い、海外の製品市況も堅調であるため、輸出も好調である。さらに製油所の定期修理時期であるとともに、大震災の影響で製油所が操業を停止しているため、需給はタイトで推移した。ガソリンは供給不足になり業転市況が堅調で推移した。
 注目されている電力C重油は、石油火力にシフトしているため需要は増加している。だが、供給面ではLSC重油の輸入増で対応しているのと、生だき用の原油の輸入が増加しているため、国内C重油生産は大幅な増産となっていない。そのため、当初はC重油の増産のため、ガソリン、中間留分などの製品が供給増となり、需給バランスが崩れるのでは
ないかとのC重油ネックが心配されたが、今のところ問題はない。
 灯油在庫は、前年に比べると増加しているが、在庫の積み増しが早めに対応しているもので供給増とはなっていない。販売は、電気、ガスなどの燃料昿換で減少が続くが、天候
次第であるため、予測は難しい。
 ガソリン在庫は200万KL程度の低位で推移しており、需給は締まっている。ガソリンは夏場商戦のヤマ場にあり、猛暑を期待して増販を見込んでいる。7月に入り連日の猛暑で前半は増販が見込まれたが、後半に入って台風6号の到来、29日~30日の新潟、福島の豪雨、関東地区にも局地で大雨が降るなどガソリン販売に影響が出るとの心配も出てきた。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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