2011.08.16 のニュース
情報センター調査 新価格体系 ブランド料は業者から不満 不信感の解消が課題に
石油情報センターは、「平成22年度給油所経営・構造改善等実態調査」の報告書をまとめた。
うち、新価格体系の見直しについては、元売各社は2008年10月に市場価格の透明性、公平性等を確保することを目的として導入した「石油製品卸価格改定方式」(週決め市場連動方式)を、10年4月から10月にかけて、ブランド料の見直し等、改定方式の見直しを行った。
その結果、需給環境の整備と相俟って、元売会社の精製マージン(原油価格と卸価格の差)は大幅に改善され、10年4月から12月期は大幅な経常増益となった。
一方で、市場価格に上乗せされる「ブランド料」が拡大されたことで、市場価格と卸価格間の価格差拡大が固定化され、石油販売業者を中心に不満が残った。
販売業者の販売マージンは、「仕入れ価格上昇に価格転嫁が間に合わず」、「仕入れ価格上昇分の価格転嫁不足」を余儀なくされ、収益悪化が常態化しつつある。
石油販売業者の団体である全石連は、10年12月、「元売卸価格フォーミュラについての意見」を取りまとめ、「元売ブランド維持コスト等(業転格差)のうち、市場競争の中で系列SSが負担できるコストは1円が限界である」等を元売に陳情した。
こうした状況の下、元売各社は、「精製能力削減による製品需給環境の整備」に取り組むとの対応を示しているが、元売・系列販売業者間および系列販売業者・非系列販売業者間の不信感、不協和音の解消が俟たれるとともに、卸価格改定方式の早期定着化が緊要な課題である、としている。