日刊ニュース

2011.09.08 のニュース

灯油復権のチャンスを生かそう

 1日の最高気温が30度以上の真夏日となった気象庁の延べ観測地点数を7月1~9月5日で比べると、今年は昨年より約2割少ない。35度以上の猛暑日は約6割少ない。月別でみると、今年は7月2~18日と8月8~14日までが、猛暑と言われた昨年より暑
い日が多かった。9月に入っても多くの地点で暑い日が続いているが、昨年は桁違いに猛暑日が多かったので、今年は幾分過ごしやすかったということになるが、節電に伴う冷房セーブで体感温度的には相応の我慢も求められた。
 このような中、今冬季節商戦の前哨戦が早くも始まっている。寒冷地において石油組合、全石連、石油連盟、石油機器メーカーなどが連携したセミナーが逐次開催中だが、新潟では暖房機器商戦が例年より1~2ヵ月早く、特に電源不要の石油ストーブはニーズ急増との報告が目立った。ストーブの好調ぶりは、ファンヒーターにも連動しているという。大震災の影響などから暖房機器の需要が前倒しされていることに加え、05年12月下旬に最大65万戸の新潟大停電が発生、その危機意識が再び働いているとの見方や、コンピュータの誤作動から停電か誘発されるなどと言われた2000年問題から10年超が経過、買い替え需要期が重なっているとの指摘も聞かれる。
 また、今冬シーズンは原発が再稼働しないと関西電力をはじめ東北、四国、九州、東京の各社エリアでピーク時の供給予備率が不足する懸念が示されており、引き続き節電が要
求されそうだ。「脱エアコン」の節電意識は企業による石油Jガス暖房機の複数台導入という形で先行し、一般家庭へと広がるイメージも描かれている。機器メーカーの調査によれば、今年度の出荷台数は石油暖房機が前年比4%増の467万台、対するガス暖房機は9%増の52万台を予測しているが、石油にはこれを上振れさせる意気込みを期待したい。
 クルマが減ったり電化シフトすればガソリン需要が落ちるのと同じで、石油機器が売れず、利用率が下がれば灯油需要も回復しないことは明らかだ。幸い、石油暖房機は08年
度を境に販売が回復基調にある。石連・機器メーカー団体主催の石油機器普及促進キャンペーン、石油組合主催の灯油まつりなども活用しつつ、SS店頭や配達時などを通じて灯油復権を目指そう。我々もサポート情報を積極的に提供したい。

提供元:全国石油商業組合連合会
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