2011.09.27 のニュース
望ましい08年10月体制への回帰
22日の東工取の石油製品10月限納会で、京浜の海上出荷の東京ガソリン、伊勢湾岸の陸上出荷の中京ともに117円弱。一方で、今週適用の週決め仕切り指標値は125円台を示している。ガソリン税を除けば先物63円台前半、現物72円台前半。
先物の現物受けは、系列取引よりも制約があるとはいえ、元売が奨励リードした観の強い粗利10円以下の小売市場において、卸レベルでの9円格差は実に大きい。量販SS仕様では、相手の小売価格が当社の卸売価格よりも割安、という逆転現象が生じてしまう。
言うまでもないが、SS経営者か最も重視する経営指標が卸価格だ。厳しい競争環境に晒されているから、その絶対値よりも、むしろ自らに適用された卸値の相対的な位置付
けに神経を尖らしている。
先物(納会値ペース)は東京と中京の2種、現物は輸入と海上、陸上という3種の日毎に変動する卸価格情報がある。この計5種の卸価格情報の8月までの数値で、今年度に最も価格競争力を有している卸指標は、東工取の中京石油市場だ。
海陸格差1.2円、SS届け1.8円の前提で、競争力順に中京以下は、陸上、輸入、東京、海上。いわゆる系列卸に近い数字と考えられる石油情報センターによる月次卸価格
調査の全国平均比で、中京は5.81円割安となった。ちなみに週決め仕切り体系が業界標準になった2008年10月以降の丸3年間の累計統計でも、この順位になる。
系列SS仕切りに準じる卸価格調査結果と、系列外SS卸に準じる陸上現物の今年度の価格差は平均5・07円。10年度が4.52円、09年度は3.46円であったから、系列仕切りはこの2年間で1.61円のブランド料に類する部分か引き上げられたことになる。月間100KLSSのリットル5円格差は、月50万円、年600万円、1万SSでは年600億円になる理屈だ。
現状から振り返ると、フォーミュラ選択肢があり、まだ透明度かあった指標を用いた08年10月の導入当初の理念、格差が平均3円前後で、需給が極度に締まれば、稀に系列安・業転高さえ生じた仕組み。小売市場で価格競争力を削がれてしまっている系列SSの多くは、その後に改悪の一途をたどった新仕切り導入、丸3年を振り返り、あの時代に存在した価格体系への回帰を望んでいる。