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21世紀の国際エネルギー産業の課題、ビジョンと協調 2001年01月05日更新

21世紀を迎えた。20世紀は科学技術が飛躍的な進歩を遂げ、石炭・石油の豊かな化石エネルギーと結合して、産業の大発展をもたらし、人類の福祉を向上させた。人間は長寿になり、宇宙や生命の神秘も解明できるようになった。その反面で予期せざる問題も発生してきた。エネルギーに関しては地球温暖化の問題で、内燃機関の発達と化石エネルギーの大量消費がもたらしたものである。この対策が国際エネルギー産業の差し迫った課題である。
 BP統計によると、1999年に於ける世界のエネルギー消費は85億3,360万石油換算トン、このうち石油が40.6%、石炭が25.0%、天然ガス24.2%、原子力7.6%、水力が2.7%を占める。世界はエネルギーの3分の2を石油と石炭に依存している。これを一挙に他のエネルギーに転換することは不可能である。天然ガスも伸びると予想されるが、21世紀も相当の期間はまだ石油と石炭の時代が続く。問題は環境保全と両立しながら化石燃料を消費する技術の開発で、これが21世紀のエネルギー産業の第1の課題である。
 第2の課題は、化石エネルギーへの依存度を低下させ、エネルギーの多様化を図る改革である。既に太陽光、風力、波力、バイオなど新しい発電源の開発が進められており、燃料電池、ガスタービン、モーターの効率化など使用システムの革新が進行しつつある。これの積極的な推進が必要である。
 第3は発展途上国のエネルギー消費効率化である。途上国は今後の世界のエネルギー需要増加の大半を占めると予想される。その市場は既存の古い制度やシステムのしがらみがなく、新しい効率的で持続可能なエネルギーシステムを採用することができる。こうした観点から先進国は途上国のエネルギー基盤形成に最大限の援助をすべきである。これらの課題は同時並行的に進める必要があり、国際的なビジョンの確立と協調的取組みが望まれる。

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