2011.11.16 のニュース
クレジットカード問題を検討 –問題点を整理して元売に改善を求めるー
全石連は、経営部会で元売のクレジットカード問題をWG(ワーキンググループ)で検討を行なっている。まず問題点を整理することになる。元売のクレジットカードは、法人向け、個人向けなど多種にわたっているか、①カード客を増やすことはSSでの顧客の固定化に繋がる、②ガードで決済するため貸し倒れのリスクが減少する、③販売代金の回収かカード会社が行なうため手間が省ける、④ユーザーも同系列SSで利用ができて便利である、などのメリットがあるため普及している。
元売のキャンペーンも、SSの経営戦略として新規カード客を囲い込むことを第一としている。ガソリンなどの石油製品は差別化がしにくく、価格競争によって増販することになるが、結果的には、カード会員割引き商法が横行することになり、SSの販売価格を値下げする要因となっている。
仕切価格の値上げを受けて販売業者は市況対策に取り組むが、一方ではカード会員割引き(2~3円/L割引き)が展開されるため、市況対策が不発に終わるケースも多い。結
果的にはマージンを減少させてSSの経営難が続くことから、カード商法のマイナス面も指摘されている。
SS経営を健全化するには、ユーザーを増やし、適正マージンを確保して固定化する必要があるが、カード客をいかに増やすかがポイントとなる。
カード社会となっており、今後も拡大が見込めるが、デメリットとしは、①カードを発券しても、カード客は自SSで給油せず他系列SSで給油するケースもあり固定化には繋がらない、②ガード客の個人情報は元売が管理することになり、他系列SSで給油してる場合は、その情報を得ることが難しい、③カード手数料が高い、④カード客を確保するた
め割引き(安値)販売が展開されており、その影響で全体の市況下落となる、などがあげられている。カード客に対して常に2~3円/L安で販売する商法は、市況対策からみればマイナスであり、改善が必要となる。
以前には、発券店値付けカード問題が表面化した。販売業界から元売に改善を求める運動が展開され、公取委が調査の上で問題点を指摘し、元売は自粛することになり一応の決
着をした経緯がある。これはSSを保有していないリース業者などが安値でカードを大口のユーザーに発券したもので、従来利用しているカード客を一気に獲得することになり、
シェアが移動することになった。今までは15円あったマージンが、給油SSの取り分か手数料の17円程度と減少し、これではSS経営が不可能になるとして販売業者から反発が出た。公取委に対して、市場の秩序を混乱させると要謂、元売に改善を求めたものである。
今回のクレジットカード問題は、まず、問題点を洗い出して、整理することになる。ただ、カードはすでに定着しているため、販売業者、ユーザーもメリットを享受しているため改善点は限られる見通しである。
販売業者サイドも、SS店頭では、現金価格、カード割引き価格、プリペイドカード割引き、などの多重価格を表示しており、カード客を優遇する方策をとっている。「現金高のカード安」の商法が定着しているため、販売業者側の意識の問題ともなる。