日刊ニュース

2011.11.21 のニュース

数量減時代に光る生業SS

 我々はいま、本格的なガソリン内需減退の時代を迎えている。
 ガソリン内需は、2004年度にピークの6150万KLを記録し、その前後2年間を含めた5ヵ年間は6千万KLを超えていた。当時の暫定税率期限切れ・復活劇が生じた08年度に、高値=消費節約が発生、我々は最初の内需減を体感した。ここに1千円高速政策と猛暑という自然の力が働き、09-10年度の2ヵ年は市場収縮が収まり、一息をついた。
 この2年間を下支えした要因がほぼ解消された。低燃費車両が目に見えて増えていたクルマ側の変化がダイレクトにガソリン数量に跳ね返るようになった。個別世帯の消費節約も持続していた市場の本質が露見するようになった。さらに大震災要因も加わった今年度は、年率5%に迫る減少率をガソリン国内市場は示すようになっている。
 我々はいま、創業以来初めて、原単位の減少に直面している。 仮に年率5%のペースで市場がしぼんで行くと、ガソリン内需は13年度に5千万KLを割り込む。その5年後の18年度に4千万KLを割る。3%減なら、5千万KL割れは15年度、4千万KL割れは23年度。
 一方のSS数はこれまで、05年度までの5年間は平均2・5%減、06~10年度の5年間は4%減という経過をたどった。今年度も近況は、ほぼこのペースでSS減少が生じているから、5%減というガソリン内需の減少と、4%減というSS減少の2つをかみ合わせると、1SS当たりのガソリン販売量の減退という事実が浮かび上がる。
 内需減に先んじること10年。SS数は94年度をピークに減少に転じていたから1SSガソリン販売量は市場全体よりも高い増加率を示す。数量の拡大が、より多くの収益につながる時代だったのだが、前年度をもって、そんな時代は終わったのだ。クルマに乗らない、乗るならエコカー、という世帯が多い大都市周辺でのSS原単位の減少率は、地方のそれよりもはるかに大きい。
 SS業の我々には、アジアの成長を取り込む、という成長戦略は無縁である。いま掴んでいるお客様の満足度を、これまで以上に高める。所在する地域における存在感とインフラ価値を高める。ご近所の方々からの好感度を極める。地域情報のアンテナをさらに磨く。数量指向よりも勝る経営手法はある。

提供元:全国石油商業組合連合会
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