2011.11.28 のニュース
リセット急がれる燃料税制
東京モーターショーが来週開幕、電力・蓄電池を媒体として、クルマとマイホームの連携が、民生エネルギーの次世代の方向性として示される。
次世代車の現行は、EVリーフは380万円、プリウスPHVはリース限定525万円から、来年市販時には300万円台への引き下げが確実視される。かつて700万円だった家庭用燃料電池の近況は、性能が格段とアップしながら270万円。JXエネは2015年に50万円というレベルを目指す。
重量1トンのEVの燃料代に相当する電気料金の近況は、走行10KMにつき1KW時として20円前後、深夜電力なら8円前後という。近距離走行ではEVと化すPHVもこの料金体系に準じるだろうから、EVやPHVは、ガソリン換算でリットル20円の燃料代で走行すると理解できる。
リットル30KMを超える実燃費を誇るガソリン車も登場したが、ガソリン燃料となった瞬間から、ガソリン税53.8円、ガソリンが原油段階で背負わされる石油石炭税2.04円、さらに石油石炭税とガソリン税に対するタックスーオンータックス消費税2.79円の計58.63円がガソリン車の燃料に課せられるから、すでに競争のステージが異なる。
自動車には取得段階で自動車取得税と消費税の2種、保有段階で自動車税と自動車重量税の2種、走行段階でガソリンに対する揮発油税と地方揮発油税、軽油に対する軽油引取
税、LPガスに対する石油ガス税。さらにガソリン税などに対するタックスーオンータックスを含めた燃料への消費税。合計9税目がある。
これを自動車業界では、取得段階は取得税を廃して消費税のみに、保有段階でも従量税を廃して自動車税のみに一本化することを要望している。我々の要望と同様に、税金に対
して消費税を課すタックスーオンータックスの解消も求められているが、注目すべきは油種ごとに異なる税体系を、エネルギー多様化対応で「燃料税」に一本化する部分だ。
取得に際して、次世代車には、既存ガソリン車が負う税金の一部が導入補助される。ガソリン車は減る方向で、かつ低燃費車が増えるから、ガソリン税収には累進的な減少率が生じる可能性が高い。我々は、減るガソリン税収に対する処方箋に、公平・平等がきちんと盛り込まれていることを確認したい。