2011.12.01 のニュース
いまこそ灯油暖房のPRを
石油ストーブや石油ファンヒーターの販売が好調で、経産省統計によると今年度上期は前年比7割増という大震災を契機に、石油機器が見直された。EVが普及すればガソリンは不要になるように、エアコンやガスヒーターに席巻されたら灯油の出番はなくなる。鶏か卵かの議論とは異なり、灯油にはハードの存在が欠かせない。寒波到来は遅れたが、あすから12月。販売業者は灯油復権にも期待を寄せている。
気象条件に左右されるため販売最のブレは常に伴うが、石油協会の経営実態調査によると、全国平均の中小企業1社当たり灯油月間販売量は74KL、1SSでは19KL。大企業も含めると1社94KL、1SS19KL。当然ながら地域差もあり、最大で10倍程度違う。集合住宅では石油機器を利用できなかったり、公共施設や事業所でも燃料転換が広範に進んだ。緊急時に備えたストーブ購入も、利用に直結するとは限らない。
寒冷地でさえ灯油離れがジワジワと進み、電気やガス暖房との併用も増えているようだ。ここはなんとか石油機器の利用が促されるよう、従来に増して安全性、環境性能、使い勝
手の向上を訴求するとともに、節電メリットをアピールしたい。 1時間当たり暖房費を解説した某家電量販店HPは、「強」暖房でエアコン15円、電気ストーブ1000Wタイプ22円、こたつ500Wタイプ3.6円、ホットカーペット520Wタイプ6.6円などに対し、ガスファンヒータ110畳タイプ29.1円、石油ファンヒーター110畳タイプ30円(灯油89.1円の場合)と例示している。だが、どうにも腑に落ちない。
我が陣営としては、全石連・石油連盟が連携して本紙11日付けで「暖かく」「経済的な」灯油の優位性をアピールするポスターを挟み込んでおり、SS店頭で活用されている。ぜんせきwebでは47都道府県別のデータを活用し、「やっぱり灯油がお得」と訴えるチラシを月次で提供中だ。これは、1KW当たりのエネルギー別コストを基礎データとしている。また、石油ファンヒーターの魅力について、石油機器メーカー・ダイニチはパワフル、暖房スピード、部屋全体を暖めるメリットを強調している。電気・ガスのPR攻勢を跳ね返す好機であることは確かだ。石油機器と灯油“ならでは”の特長を、いまこそ手を携えてアピールし、復権を後押ししよう。