日刊ニュース

2011.12.05 のニュース

モーターショーに見るSS展望

 東京モーターショーが開幕した。2年前はリーマンショックの余波で欧米メーカーが参加を見送り、乗用車ショーとしては展示面積で1962年水準、来場者は59年をやや上回る61万人強にとどまったが、今回の展示面積は前回比6割増、来場者数目標は最低80万人。開催期間は54年、56年と同じ過去最短の10日間に短縮されたが、アフタヌーン券やナイター券も用意した。会場は54~57年日比谷、58年後楽園、59~87年晴海と都内が続き、89~09年は千葉・幕張に移ったが、今回、24年ぶりに東京・有明のビッグサイトに戻り、足を運びやすくしている。
 近年の動きを振り返ると、05年、07年はGTRが話題をさらった。前回はレクサスLFAが登場する一方、アイミーブの市場導入やリーフのお披露目が注目され、EVの市販が現実化した。また、最近の潮流として、欧州は小排気量化十ターボ、日本はHVや燃費30キロ級の超低燃費エンジン車シフトが顕著に見える。国内市場の売れ筋は、セダン・RV・ツーリングワゴン・ワンボックスを経て、いまは軽を含めたコンパクトカーのシェアが確実に高まっている。ついにトヨタがプリウスPHVの受注を開始、ホンダは今年度の登録車販売に占めるHVシェアが約5割に達する見込みだ。
 そんな状況下で、モーターショーが始まり、メーカー首脳がブリーフィングに登壇。ゴーン日産CEOは「自動車メーカーがクルマづくりにのみ集中する時代は終わりを告げた」、「スマートハウス、コミュニティがゼロエミッションモビリティを支え、ネットを通じてつながっていく」と強調。2万台のリーフで、これまでに300万Lの燃料節減に貢献したと胸を張った。他方、豊田トヨタ社長は「未来のクルマはEVかPHVかでなく、選択肢が広がる。わたしはガソリンのにおい、エンジンの音が大好きで、こういうクルマもなくしたくない」と訴え、伊東ホンダ社長は「環境負荷ゼロ社会に向け、いま取り組むべき最重要課題は内燃機関の効率向上」と公言。とはいえ、HV、PHV、EV、FCVもしっかりと視野に入れ、高齢化対応のコミューターもラインアップするなど、全方位を見据えている。
 豊田社長は「ファンートゥードライブーアゲイン」と決意表明したが、我々も需要減を極端に悲観することなく、楽しく、便利で、安全な運転機会の後押しに努めたい。

提供元:全国石油商業組合連合会
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