2011.12.12 のニュース
こんな増税は許せない
5日の政府税調で財務省は「仮に車体課税の負担の軽減を行う場合には、国際的に低い水準となっているエネルギー課税の強化などにより安定的な財源を確保することが大前提」という考え方を打ち出した。
自動車取得税・重量税の廃止や見直しを訴えている自動車業界や経産省に対し「見直しをするならば、それによって減少する税収分の代替財源を示すことが必要」というのが財務省方針で、その代替財源を財務省自身が示した格好だ。
財務省はついでに抜本的見直しの一環として、エネルギー課税と車体課税の課税主体や税収配分か複雑に入り組んでいることから、「燃料などのエネルギー課税は国、車体課税は地方、の考え方の下、課税主体の一元化を図りつつ、環境関連税制を思い切って簡素化」する考え方を示している。
つまり、軽油引取税を国税にし、ガソリンと同じ蔵出し課税化するというものだ。その場合、財務省自身も「仮に軽油引取税を蔵出し課税とする場合、軽油引取税の課税免除などの扱いをどうするか」という課題も浮上するとしているが、脱税問題にどう対処するかなど幾多の問題が噴出することは確実だ。
冒頭の財務省の考え方の中で、わが国のエネルギー課税が「国際的に低い水準」としているが、これは財務省にとって都合の良すぎる表現である。欧州各国は所得税や法人税などの直接税よりも、モノやサービスなどの消費に課す間接税を主体にした税制である。日本ではその直接税と間接税の比率が逆であり、ガソリン税などを含めたエネルギー課税が低いのは当然の話である。この直間比率を無視して、日本はエネルギー課税が「国際的に低い水準」というのはごまかしに近い。
民主党は政権交代に向けたマニフェストで「課税の根拠を失った暫定税率を廃止して、税制に対する国民の信頼を回復する」と明記していた。しかし、その暫定税率は「当分の間税率」と名前を変えたが、税率は手付かずのままだ。そのうえに石油に増税するとなれば与党として当然、反対するはずである。
本日付の記事にもある通り、早速、全石連は「絶対に容認できない」と反対運動を開始した。これが本格的な動きになれば、さらに強大な反対運動を展開することになる。こんなことを許してはならない。