日刊ニュース

2011.12.22 のニュース

石油エネルギー最劣説の真相

 政府の某会議傘下の某委員会発表によると、エネルギー別のコスト比較試算で石炭は9.5円、LNGは10.7円であるのに対して、石油は36円になるのだそうだ。
「石油は石炭や都市ガスの3~4倍のコストを要する極めて割高なエネルギーである」。政府が招聘した有識者がこう発表し、有能な記者が取材し、見識ある大新聞社がこのように伝えるのだから、通常の日本人なら、このように解釈する。
 石油販売業者の多くも、こう解釈しただろう。そして「なぜなんだ」という疑問を感じたら、それは正しい反応だ。今季の灯油復権プロジェクトに際して、「ぜんせき」では、「やっぱり灯油がお得」を大書きし、併せてエネルギー別のコスト比較表を掲載したSS店頭掲示用ポスターを添付した。そこには小売ベースで灯油1に対し、都市ガスは1.51倍、電気は2.46倍と記してある。
 これも真実だが、政府・有識者・大新聞社が解釈すると、石油は「極めて高コストなエネルギー」で、風力(9円前後)、太陽光(30円前後)といった再生可能エネルギーよりも劣るという位置付けになる。しかも、立地対策などの政策経費、燃料費の高騰分など、「これまで国民に見えなかった費用を新たに試算に加えた」というご丁寧な解説まで付加されている。大嘘つきである。
 石油火力発電に使用される石油は、いわゆる低硫黄C重油で、低硫黄か重質なら原油のまま使用される。これほどまでにコスト高の燃料なら、精製、脱硫などの手間隙をかけて、さらにコスト高の灯油、A重油を製造しても、そんなものを使い続けるユーザーはいない。空き地声いう空き地を、太陽光パネルが覆い尽くす光景か出現しているはずである。そもそも太陽光よりも劣るのなら、石油が占める1次エネルギーシェアを、化石燃料別で最も過重な温暖化対策税を課さなくとも、競争原理の前で、石油は敗れ去るだろう。
 石油連盟の定例会見・専門紙誌の部で、記者の質問に答えて、「この評価は極めて心外。石油火力は稼働率10%で36円と計算している。石炭とLNGは80%、原発は70%で試算している。同じ比較になっていない。石油が飛び抜けてコスト高という印象を与える。将来的には石油より太陽光が安くなるという試算もある。非常に違和感を感じる」などと述べた。これが真実である。

提供元:全国石油商業組合連合会
〒100-0014 東京都千代田区永田町2-17-14石油会館
TEL:03-3593-5751
FAX:03-5511-8870
ユーザーID:
パスワード:
ログインする
e-BISTRADE