2012.01.12 のニュース
税の二重取りを正す政治を
消費税は、法律上において、「製造業者や商人が担税指定者となるが、実際には課税分が最終消費者に転嫁されることを前提として、物品・サービスなどの「消費」行為そのものを客体として課税するものである」と規定されている。
「当分の間の税率特例」による揮発油税(リットル48.6円)と地方揮発油税(5.2円)の総称である「ガソリン税」(53.8円)は、1989年の消費税導入に際して、酒税やたばこ消費税などが調整併課されたり、物品税などが廃止されたりする中で、道路特定財源という目的税という論拠で3%の消費税が単純併課される憂き目に会った。
その前提である道路特定財源が08年度で廃止され、ガソリン税は一般財源化され、「暫定税串の廃止」による本来のガソリン税率(28.7円)へ戻すことと、「消費税導入当時の課税根拠を失った」として、我々はガソリン税への消費税併課の解消に対しても、自動車業界とともに、1千万人を超える署名を集めた。
今年度予算における石油石炭税、ガソリン税、石油ガス税などの石油消費税における消費税のタックス・オンータックスの総額は約1700億円で、このうち1460億円か、ガソリン税からの税収となる。これは清酒からの「酒税」の2倍以上の税収規模であり、「一般消費税」の税収総額の10.2兆円に占める割合も決して少なくはない。
特にガソリン税からのタックスーオンータックス税収は、地方生活者と都市生活者のライフスタイルの差異が、そのまま税負担の軽重につながるもので、課税の公平性が著しく損なわれている。ガソリン車(者)から奪取した税金で、燃料課税がほとんどない電気自動車を支援する構図にも不公平さが漂う。
マニフェストに「暫定税率の廃止」を盛り込んだように、実は与党・民主党は、ガソリン税のあり方に対して、これまで多くの革新的な提言を行ってきた政党だ。残念ながら、これらはすべて空手形に終わっているが、民主党の政策集lNDEX09には、「個別間接税は消費税に一本化すべき」という政策提言も明記されている。
これに沿って、消費税と石油諸税の適切な調整措置、中でも地域生活者の負担を軽減する政策にもつながるガソリン税のタックスーオンータックス解消は、最優先に政治決断されるべき事項だ。