日刊ニュース

2012.01.23 のニュース

二重取り被害者は地方生活者

 大震災以降、ガソリン内需にも3・11の影響が色濃く出るようになっている。震災直後から消費抑制という形で現れ、それが慢性化して近況につながる。公式統計では3~11月まで9ヵ月連続の減少で、本紙推計では、12月も前年割れか確実と見られ、前年がプラスだった1、2月もその反動でマイナスを記録するだろうから、丸1年、12ヵ月連続のマイナスとなるだろう。そして3月には3・1の反作用で13ヵ月ぶりにプラスを記録する。
 そのマイナスは、地域間で温度差がかなり異なる。特に大都市部での消費抑制が色濃く公共交通機関など代替手段のある都市部、車を走らさざるを得ない必需品の地方部という明確な色分けが存在する。
 総務省の世帯消費統計によると、2010年のガソリン平均購入量は月44.99Lだったが、11年には42.25Lへと6.1%減少している。東京23区や大阪市などの消費量が少ない5都市は、18.75Lから15.22Lへ減少、その減少率は18.8%にも達する。実量でも2.53Lの減少だ。一方の多消費の5都市(多い順に山口市、松江市、宮崎市、宇都宮市、津市)では、66.54Lから64.80Lと、やはり減少してはいるが、その減少率は2.6%にとどまる。減少した実量は1.74Lだ。
 これによって、主要都市間での最大格差は、いずれも最少・大阪、最多・山口間で、10年の5.4倍から11年は7.4倍へと拡大している。県庁所在地でさえ、こうした大きな格差が生じていることから、過疎地町村部と大都市都心間での格差が、さらに大きいことは容易に想像がつく。この格差は、一般財源に組み込まれた揮発油税と地方揮発油税の総額であるガソリン税の負担格差そのものになる。
 相対的に所得が少ないであろう地方生活者がより重く、所得が多い都市生活者がより軽い税負担ですんでしまう一般財源。したがって全石連、都道府県石商、油政連が一体となって展開する「許すな!税金の二重取り」活動で廃止を目指している、ガソリン税への消費税タックス・オン・タックス分リットル2.69円についても、地方生活者がより多くを「二重取りされている」勘定になる。東北3県を中心とした被災地の分類は、ほぼガソリン多消費都市タイプとなるから、被災地生活者の多くが、より多く「二重取りされている」ことにもなる。

提供元:全国石油商業組合連合会
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