日刊ニュース

2012.01.26 のニュース

クルマ長期使用のお手伝い

 昨年1年間の乗用車新車販売に占めるHVシェアは13%だった。乗用車のうち4割弱は軽だから、それを除けば19%に達する。普通車・小型車の10台中2台がHVだ。
 カーディーラーは第4次補正予算案で登録乗用車10万円、軽7万円など総額3000億円のエコカー補助金が復活計上されたことを再び歓迎しているが、自販連調査による09年度のディーラー社当たり粗利構成比をみると、サービス・部品が39%を占め、新車や収入手数料の各26%を凌ぐ。サービス・部品部門が稼ぎ頭になっていることに我々は留意すべきだろう。いまや新車販売がその取り込みロになっているのだ。次世代SS研修会でも、ディーラーの武器として「メンテナンスパック」の脅威が指摘されていたが、現在ではほぼ全ディーラーがメンテパックを商品化しており、新車販売時の契約率は50%を超える。
 だが、弱点がないわけでもない。初回車検時の契約率は20%に下がっている。車検入庫率は初回は66%だが、2回目57%、3回目50%、4回目以降41%と徐々に低下していく。軽を除いた乗用車の平均車齢は7・7年、平均使用年数は12.4年だから、1台のクルマが5回の車検を経ている。乗用新車の年間販売400万台程度に対し、保有台数は5800万台。特に低年式車はSSにおける点検・整備の有力な分母となり得る。
 軽の新車販売シェアが50%以上の地域は5県、40%以上は23県もある。全国平均の世帯当たりマイカー普及は1・1台、最多都市では1・9台にも達し、最少の東京でさえ2世帯に1台を所有する。次世代車に振り回され過ぎる必要はない。中心軸はいまなおガソリン車だ。
 自販連は今夏まとめたディーラービジョンで「SSの経営難による撤退で地域住民が困るケースも増えている中にあって、ディーラーがモビリティ確保のうえで、どれだけの役割が求められ、果たせるのかの考察も望まれる」と促している。これを、ディーラーがSSのインフラ機能を評価している裏返しと読みたい。SSの存在価値は失せない。その来店頻度の優位性、地域密着の親近感を生かし、商品、作業、アドバイスと多面的に安全走行をお手伝いできるのは我々という自負を持ちたい。不案内な出先でも、「SS」という社会一般の認知は安心感を与えているはずだ。

提供元:全国石油商業組合連合会
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