2012.02.01 のニュース
経産省/EV・PHVタウンベストプラクティス集Ⅱ EV・PHV台数1万台以上に増加 急速充電器は800台強
経済産業省は、EV(電気自動車)やPHV(プラグインハイブリッド自動車)の普及に先駆的に取り組む都府県を「EV・PHVタウン」として選定している。今回、その取組の好事例等について、「EV・PHVタウンベストプラクティス集Ⅱ」を取りまとめた。「EV・PHVタウンベストプラクティス集」は2010年8月に第一集が取りまとめられた。その後、約1年半の間に、EV・PHVや充電インフラの数は増加しており、各自治体も趣向を凝らした普及推進取組を行なっている。2010年8月時点に対し、現在ではEV・PHV台数は3000台弱から1万台以上に、急速充電器は200台強から800台強に、EV・PHVタウンの数も追加選定の結果8都府県から18都府県(愛知県、青森県、神奈川県、京都府、東京都、長崎県、新潟県、福井県、大阪府、岡山県、沖縄県、岐阜県、熊本県、埼玉県、佐賀県、静岡県、栃木県、烏取県)に増えている。このように、EV・PHVが増加し、取組が進んできたことにより、それらの最新情報を織り込んだ「EV・PHVタウンベストプラクティス集Ⅱ」が取りまとめられることになった。経産省では、EV・PHVタウン等を通じて得られた情報を活用しながら、幾多の情報提供による普及啓発や、将来的な課題解決、新産業の可能性の追求などに努めていくとしている。今回、「EV・PHVタウンベストプラクティス集Ⅱ」のなかから、充電に関する最新情報を取り上げる。
【パブリック充電の課金に対する現状】
充電設備の課金の有無については、基本的には事業者の判断となっている。しかし、普及初期段階では課金を行なっていない充電設備が殆どである。
一方で、多くの急速充電器が無料であるため、プライベート充電環境整備が進展せず、高額な設置費・運営費の回収が困難となるなど、「外での充電は無料が当たり前」という考え方がインフラ整備の自立性を阻害している。
【充電サービス事業と課金】
ガソリンスタンドやコンビニエンスストアなどの敷地内で、電気自動車への充電事業を行なう場合については、電気事業法における事業規制の対象外(課金を行なうことは可能)となる。
このとき、使用した電力量(kWh)で販売する場合には計量法の規定による検定に合格したメーター(電力量計)を設置して電力量を測定する必要があるが、例えば携帯電話充電サービスのように時間単位で販売するような場合には、メーターの設置は不要となる。
【充電設備の課金に対する意見】
敷地内での充電サービスの提供において、課金を行なうことは可能。パブリック充電設備の課金の有無については、基本的には事業者の判断。現在、一部の、高速道路SA、ホテル、駐車場、コンビニ、小売店などでは課金を行なっているところも増えてきているが、
普及初期段階の現状では課金を行なっていない充電設備がまだまだ多い状況というように、充電設備の課金に対する様々な考え方が存在している。
積極的に課金を推進すべき意見として、①民間事業者が投資を回収できるビジネスモデルが確立されることが重要であり、基本的に課金は必要と考えている。
②受益者負担の原則に基づき課金すべきである。③課金は推進していきたいが、手法等については今後検討を要する。④「無料もありがたい」という一方で、課金制の方が「充電するほうも気兼ねがない」という事業者の意見もある。
初期普及段階においては、無料が適当とする意見として、①知事方針として、初期普及段階においては、充電器への課金は行なわないこととしている。②当面は普及を進めるため公共民間含め充電器は無料利用が相当と考える。③公共施設の充電器は無料利用が妥当と考える。④EVの普及黎明期である現時点では、普及促進のため、充電器の無料解放はやむを得ない側面もある。
【パブリック充電設備のオープン性に対する考え方】
急速充電設備は充電自体が目的となるケースが多い。その理由として、充電ができなかった場合、近辺に他の急速充電器があるケースが少ないため、目的地まで走行できないなど、大きなデメリットとなっている。
また、本当に困ったときに充電ができるオープンな環境作りが必要としている。
普通充電設備は充電自体が目的ではない、併設施設滞在の「ついで」が多い。
その一方、充電器を限定開放(会員制・事前登録制)としているところも散見しており、いずれも、事前登録または専用カードの所持を使用の条件としている。
さらに、普及初期段階において、少なくとも急速充電器については、現地での登録やカード貸与等の方法を取るなど、利用者を限定せず、「誰でも利用できる」状態であることが望まれる。なお、会員と非会員で利用料金に差を設けることも考えられるとまとめている。