日刊ニュース

2012.02.02 のニュース

まずは消費者の理解を

 店頭に「税金の二重取り許すな!」というポスターが貼られたSSが増えている。全石連・油政連が作成したポスターで、先月13日付の本紙に折り込んで配布したものだ。追加のポスターがほしいなどの注文もあり、本紙では近く、改めてこのポスターを折り込む予定にしている。
 ガソリン税に係る消費税のタックス・オン・タックス問題は、石油販売業界にとって消費税が創設された1989年以来の長年の課題である。導入に際して各種の物品税が廃止され、酒税やたばこ税は税額か調整されたが、ガソリンはなんの調整も行われず、そのまま税に税を課す単純併課とされた。
 この巨額の税収を生み出すガソリン税への単純併課によって、今年度予算レベルでの「二重取り分」の税収は約1500億円。消費税を10%に引き上げると「二重取り分」は約3000億円になるが、これはすべて消費者の負担である。原油価格の高騰が続く中、ドライバーの負担軽減のためには、タックス・オン・タックスの廃止や調整併課の実現は不可欠だ。
 こうした重要課題であるにもかかわらず、政府は消費税増税を含む「社会保障と税の一体改革」素案を年明け早々に決めたものの、与党内では未だに増税方針そのものに反対する声も多く、野党との協議も始まらない。つまり、入りロのところで議論が停滞しているのである。
 遅々として進まない議論を見ていて気になるのは、過去の政府・与党の税制改正大綱で、タックス・オン・タックス問題などについては、消費税の税率の見直しなど税の抜本改革時に検討するとしてきたが、その方針がないがしろにされてしまうのではないかということである。
 全石連・油政連は毎年度の税制改正要望において、このタックス・オン・タックス問題を訴えてはいるが、今回のような税率見直しの時が問題解決の最大のチャンスである。しかし、選挙を意識した議論ばかりが終始すると、個別間接税との関係について最後までまともな議論が行われない可能性がある。
 こうした環境を考えると、業界は先取りしてでも各方面に向けて訴えていくしかない。特に消費者に理解してもらうことが最優先課題だ。負担を強いられるドライバーに対し、ポスターをもとにこの矛盾を訴えていくことが、現時点でできる最も効果的な運動である。

提供元:全国石油商業組合連合会
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