2012.02.03 のニュース
ガソリン一部で下落傾向 143円相場に陰り ~販売の伸び悩みが影響か~
原油価格は、中東産が110ドル前後の高値であるが、横ばいで推移している。イランの核問題で、アメリカが禁輸措置を打ち出し、緊迫したムードから原油価格が値上がりするとの見方が広まった。イランが対抗手段でホルムズ海峡を封鎖するとしており、これが現実周辺の産油国も輸出ができなくなるため、原油供給に世界的な混乱を招くことになるが、具体的な行動に発展していないことと、欧米の経済活動が低調であることで相殺された。日本の対応も原油の輸入を規制する方針を打ち出すことはできず、各社に委ねている。実際に輸入が困難になれば、他の供給ルートを模索することになるが、現在は様子をみている状況が続いている。経済産業省も原油の輸人を抑える方針を打ち出してはいない。
原油価格が安定しているため、ガソリンの末端市況は1月中旬で値上がりしたが、販売数量が低調となっており、下落気味となってきた。首都圏の街道沿いは、中旬ではボトム143円を狙い、市況対策に取り組んだ結果、値上げが浸透していたが、ここへきて再び値下がりしてきた。
ガソリン商戦は年末年始の商戦が終わり、例年2月は販売数量が落ち込むため、販売業者にもあせりが出てくるが、減販をカバーしようとすると、価格競争となる。今のところ小幅下げに止まっているが、ここで踏みとどまれるのか否かが焦点となる。
原油価格の動向も注目されるが、寒波が襲来して、灯油などの中間留分が増販となっており、製品需給がタイトになっていることから、ガソリン市況は大きく崩れることなく安定して推移しそうである。