2012.02.23 のニュース
G車、D車の存在感も上昇中
先週、主要各紙に「ディーゼル車」の文字が久々に並んだ。マツダが市場投入したCX―5次世代クリーンディーゼル搭載車への評価を報じたもので、マスメディアのEV礼賛に食傷していた石油販売業者も注視したのではないか。「社運をかけたともいうべきクルマ」「国内シェア1%未満のディーゼル乗用車の市場創造に挑戦する」と同社トップは自信を見せ、D車比率を月販目標1000台中の5割以上と意気込む。
D乗用車は1990年前後のパジェロに代表されるRVブームで一定の市民権を得て、軽油の重要な販売先となったが、93年の軽油引取税増税、99年の東京都によるディーゼル車NO作戦と00年の環境確保条例および周辺自治体の追随、01年の自動車NOxPM法、段階的な排ガス規制強化など、所有や使用を続ける条件が極端に狭められる厳しい包囲網が形成され、消費者・カーメーカーやともに存在価値を見い出せなくなった。並行して、00年の都を皮切りに全国へと広がった不正軽油撲滅運動も、これは誤解ながら消費者のD車に対するマイナスイメージを助長したのかもしれない。
だが、都のディーゼル車NO作戦も「将来の可能性を否定しない」という考え方を含めていた。これを最初に実現したのが、08年発売の日産エクストレイル。世界一厳しいポスト新長期規制に適合させた。現在の国によるクリーンエネルギー車等導入促進補助金を適用した場合の希望小売価格は288万円~となる。これに対して、CX-5は240万円~。装備品差もあり一概には言えないが、SUV市場の売れ筋価格帯に挑む次世代D車の販売動向を注目したい。ガソリンと軽油の価格差は、同値で換算すれば3KM/Lのメリットを生む。ちなみに、プリウスPHVは導入補助金込みで275万円~、リーフは298万円~である。
他方、純粋なガソリン車も負けていない。デミオ、ミライース、アルトエコは、10.15モード燃費で30KM/L以上。G車の燃費向上は熱効率の改善が大きな鍵を握るが、駆動系の効率アップや軽量化などの組み合わせと既存技術の改良で40KM/Lまでは可能という。だか、運転に楽しみを求めるユーザーの関心は燃費だけではない。操作感や排気音も重要。乗って楽しい、見て嬉しい。我々はこれからも、クルマ好きのお客様を大事にしたい。