日刊ニュース

2012.03.08 のニュース

政策として高速一千円復活を

 原油コストの週平均は、今週も1円弱の値上がりが見通される状況にある。連動して今週末も石油製品卸の値上がりが確実であり、これで原油も製品も5週連騰を迎えることになるだろう。
 今回の値上がり累計は、10円を超えることとなる。これでもまだ、イランリスクという名のそのスイッチが押されていない状況であり、イラン核施設への攻撃も辞さない構えをみせるイスラエルの存在を念頭に置くと、原油150ドル、小売180円ガソリンが登場した08年の夏に至る高騰の再来が、十分に懸念される。
 さらに、5週連続の値上がりを精査すると、ガソリン卸の上げ代が大きく残っている分析ができる。他油種と比較して、1ヵ月前までは独歩安に落ち込んでいた分、値上がりバネが効きやすい状況であり、中でもガソリン卸の最安値を形成していた陸上業転には、現時点でもさらに2段階の値上がり、つまり7週連続の値上がりがイメージできるエネルギーが垣間見える。まず、その第1段階として、今週末には消費税込みで135円を超えることになるだろう。先行指標の東京先物4月限ガソリンは海上渡しで137円台であり、これをSS届けに修正すると140円に到達している。
 原油起点での価格の上昇は、我々の努力の埓外であるが、ただでさえクルマの燃費向上とガソリン離れが起こっている渦中で、さらに消費節約を強めることとなる。連続値上がりでは、必然的に小売価格への転嫁が後を追うこととなるから、転嫁不足が雪だるま式に膨らんでゆくリスクを伴う。お客様のストレスも溜まる。SSにとって、良いことはなにもない。
 ところが、消費税をつかさどる国は異なる。130円ガソリンが150円ガソリンになると、20円の5%分の消費税収が増える。これは全石油製品に1円の増税を行ったことと同義となるから、1・9億KLの石油から1900億円、5千6百万KLのガソリンのみでも560億円の単年度税収が増える勘定だ。
 ガソリンが国民の主食と化しているアメリカでは、この原油高、ガソリン高は、大統領選挙の大きな争点になるという。昨年6月に廃止された高速休日1千円。平日2千円とともに必要な財源規模は2千5百億円だが、その復活など、高騰の痛みを還元させる仕組みが必要ではなかろうか。

提供元:全国石油商業組合連合会
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