2012.03.09 のニュース
灯油在庫165万KLの低位 気温上昇でヤマ場を越す ~供給不測の懸念は解消~
石連週報(3日)によると、灯油在庫が165万KLで前週に比べると3.3万KL減となり、170万KLを割っている。この結果、低在庫となったため供給不足が懸念されているが問題はなさそうである。北海道、東北などの寒冷地は今後も冷え込みが続きそうであるが、関東以西では気温が上昇し、荷動きが鈍くなってきており、灯油の需要期のヤマ場も越えたようである。3月に入り気候が三寒四温で推移し、供給はタイトであるが、供給不足にはならないとみている。これから3月末に向けて、灯油販売業者は在庫調整に取り組むため、今後の値上げは難しく、市況維持が重点となる。仕切価格は2月に値上げとなっているため、末端市況は値上がりをみせているものの、今後は値下がりを防止することになる。灯油商戦は1月~2月に寒波が襲来したため増販となり、在庫が一気に減少し、現在、165万KLの低在庫となっている。
シーズン入り前の在庫は、前年に比べると大幅に増加したため、供給増が懸念された。在庫増の原因は、東日本大震災を契機に、元売各社が供給確保を重視して、灯油を積み上げしたものである。
しかし、この冬は各地で例年以上の厳しい寒さとなったため、大幅な増販となり、在庫が一気に減少した。結局、灯油シーズンのヤマ場を緊急輪入、増産で対応し、乗り切ったことになる。
今後も冷え込みが続き、3月~4月も灯油の増販が見込まれるが、主力はガソリン販売となる。既に「ガソリン高の灯油安」の状況に移行しており、販売業者の関心もガソリンに絞られている。
灯油は、今後在庫調整となるが、結果的には好調なシーズンであったといえよう。