2012.03.15 のニュース
高値耐久性を有するSS経営
減少しつつあるガソリン内需であるが、いまよりもさらに販売数量が1割減った際、SSはどのように対処すべきか。粗利を1割上げるだけでは恐らく足りないだろう。
かつて90ドルだった中東産原油が5ヵ月を掛けてバーレル140ドルに値上がりし、その間にガソリンの旧・暫定税率の期限切れ・復活が重なって、ガソリン小売価格は急降下・急上昇を繰り返してリットル180円に跳ね上がった08年の春から夏。ガソリン内需は前年比で3月13%減、4月17%増、5月5%減、6月9%減、7月7%減、8月13.5%減を記録している。このうちの減少を記録した5ヵ月の平均値は9.5%減だ。ガソリンの高価格と消費節約の因果関係は確実にある。
先週の月曜に石油情報センター調査のガソリン小売価格の全国平均は149.2円に値上がりした。その週末に卸価格の各指標は2.5円の値上がりを示しているから、価格転嫁が順調に進んだとしたら、本日公表のそれは151.8円に値上がりする。155円を超えていた2県では158円を超える計算だ。これは、トリガー条項の発動が懸念された昨年5月以来の高値だ。
大震災の復興財源手当てのために、現在、凍結されているものの、ガソリン税に対する旧暫定税率25.1円の執行停止に関するトリガー条項は、3ヵ月連続で160円を超えた場合に、その引き金が引かれる。この指標価格は総務省の81都市小売調査に連動するが、その近況の2月全国平均は143円。
まだ消費税込みで17円、消費税別では16.19円の余地が残る。情報センター週市況から推計すると、今週のここの余地は半分ほどの8~9円に圧縮されているものと想定できる。1ヵ月で10円のガソリン値上がり局面は、08年6月と湾岸戦争時に記録済みだ。為替82円では、バーレル31.4ドルの引き上げ余地を残すこととなっているか、すでに原油の近況はこのうちの10ドルほどを達成しており、余地は20ドル強と推計だろう。08年6~7月にかけて、この20ドルの上げ幅をわずか1ヵ月間で駆け上がった実績を原油は有している。
今週末の卸も、良くて横ばい、悪ければ連騰見通しだ。トリガー条項の解凍、高速休日1千円の復活などのガソリン内需サポートは、全石連がそれらを担う。原油高のPR訴求のお手伝いもする。SSは自らの収益防衛に手を尽くそう。