2012.03.19 のニュース
ガソリン、灯油は低在庫 需給締まり先物、業転は上昇 ~末端市況の値上げに寄与~
ガソリン、灯油在庫は依然として低位で推移している。石連週報(4日)では、ガソリンが191万KLで前週に比べると5万KL増となったものの、低水準とされる190万KL台であり、前年と比べると25万KLも減少している。灯油は166万KLで前週に比べると1万KLの積み増しとなったものの、前年と比べると28万KLも減少している。ガソリン在庫は200万KLを大幅に割り込んでいるため、需給はタイトな状況となっている。東京工業品取引所の先物では80円/L台に乗せている。原油価格の高騰を反映して、ガソリンの仕切価格は5週連続の値上げとなり、累計12円50銭の値上がりとなった。そのため、末端市況は石油情報センター調査(12日)では153円となり、前週に比べると4円もの値上がりとなった。東京は156円となった。
ガソリン在庫は191万KLの低位で推移している。前週は186万KLとなり190万KLを下回った。昨年12月末に190万KLの低在庫となり、その後200万KL前後で推移していたが、3月3日には186万KLに落ち込んでしまった。このような低在庫の状況下で、仕切価格の連続値上げの時期が重なり、一気に値上げが加速した。
末端市況は、首都圏の街道沿いのSSがボトム価格155円/Lに乗せている。値上げが一気に加速した原因は、イラン情勢による原油価格の高騰とガソリン低在庫によるものである。
また、製油所の定期修理を前にした積み増しのため、元売が市中買いに出ていることもあり、先物、業転も値上がりしてきた。
灯油在庫は166万KLという低水準である。そのため、供給不足が懸念されたが、シーズン終了間近であるため、増産によって乗り切れそうである。まだ関東地区は冷え込んでいるが、関東以西では気温が上昇している。3月末ともなれば在庫調整に取り組む時期となり、このまま低位でシーズンが終了することになる。